眼科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

枕の高さが緑内障患者の夜間眼圧に影響か

 就寝時の簡単な工夫が、緑内障の進行を遅らせるのに役立つかもしれない。新たな研究で、枕を使わずに寝ることで眼圧を下げられる可能性のあることが示された。緑内障では、眼圧の上昇によって視神経が損傷し、不可逆的な視力低下につながる恐れがある。研究では、枕を二つ重ねて使った患者の3分の2で、眼圧の上昇が確認されたという。浙江大学(中国)医学院附属第二病院眼科センターのKaijun Wang氏らによるこの研究結果は、「British Journal of Ophthalmology」に1月27日掲載された。研究グループは、「緑内障患者にとって、枕を使わずに寝ることは、薬物治療やレーザー治療に移行する前に試せる手軽な対策になり得る」と述べている。

2型糖尿病の病初期にも網膜の微細な変化が生じる

 2型糖尿病の初期段階で、網膜のわずかな菲薄化などの変化が生じることを示唆する研究結果が報告された。コインブラ大学(ポルトガル)のSara Oliveira氏らが行った動物実験の結果であり、詳細は「Eye and Vision」12月号に掲載された。  糖尿病網膜症は、過去20年ほどの間にいくつかの新たな治療オプションが開発されてきたにもかかわらず、依然として成人の失明原因の主要な一角を占めている。その一因として、糖尿病の発症から網膜症の診断までに年単位のタイムラグがあり、その間に網膜の分子・細胞レベルでの不可逆的な変化が生じてしまっており、網膜症診断後の治療では十分に病勢を制御できないことの影響が想定される。しかし、現在の臨床で一般的に使用可能な蛍光眼底造影、光干渉断層撮影(OCT)などの検査では、病初期の網膜の変化を検出できない。

国内初の萎縮型AMD治療薬「アイザベイ」、地図状萎縮拡大の進行を抑制/アステラス

 アステラス製薬は萎縮型加齢黄斑変性(萎縮型AMD)に対する国内初の治療薬として2025年11月に発売された、アバシンカプタド ペゴルナトリウム(商品名:アイザベイ)の発売プレスセミナーを2026年1月29日に開催した。堀 聡志氏(アステラス製薬 メディカルアフェアーズジャパンヘッド)が眼科領域の事業戦略を紹介し、続いて門之園 一明氏(横浜市立大学 大学院医学研究科 視覚再生外科学 主任教授)が「地図状萎縮を伴う萎縮型加齢黄斑変性の病態と治療」をテーマに講演した。  患者QOLを長期に損なう地図状萎縮、早期介入・早期診断が鍵 萎縮型AMDは、網膜の中心部である黄斑の組織が加齢に伴い地図状に萎縮し、不可逆的な視力低下を来す慢性疾患である。

医師会員の57%が花粉症と回答、オススメの予防法は

 全国的にスギ花粉の飛散が始まろうとしている。厚生労働省の統計によると、花粉症の有病率は2019年に42.5%となり、年々有病者数は増加しているという。国民病となった花粉症について、医師における有病率の違い、医師ならではの予防や対策などはあるのであろうか。CareNet.comでは、2026年1月19~25日にかけて、会員医師1,000人(うち耳鼻咽喉科の医師100人を含む)に「医師の花粉症とその実態」についてアンケートを行った。  質問1で「花粉症かどうか」(単回答)を聞いたところ、「花粉症ではない」が40%と一番回答率高く、(診断を受け)「花粉症である」が33%、(診断を受けず)「花粉症である」が24%、「わからない」が3%の順で多かった。その一方で、診断の有無を考慮しない場合、全体の57%が「花粉症である」を回答していた。

緑内障点眼薬の治療継続率、製品間で大きな差

 自覚症状に乏しく進行が緩やかな緑内障では、点眼治療を長期にわたって継続することが困難であることが大きな課題とされてきた。今回、日本の大規模医療保険レセプトデータを用いた解析により、同じ薬剤クラスであっても、緑内障点眼薬の治療継続率は製品によって大きく異なることが示された。研究は東京大学大学院薬学系研究科育薬学教室の壁矢健司氏、佐藤宏樹氏らによるもので、詳細は11月28日付で「BMC Ophthalmology」に掲載された。  緑内障は日本における不可逆的な失明の主因であり、QOL低下など医療費に反映されない社会的負担も大きい。

全身型重症筋無力症と多発根神経炎患者の自己注射が容易に/アルジェニクス

 アルジェニクスジャパンは、2025年12月15日、全身型重症筋無力症(gMG)と慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)を疾患適応とする抗FcRn抗体フラグメント・ヒアルロン酸分解酵素配合製剤「ヒフデュラ配合皮下注シリンジ」を発売した。本製剤は、エフガルチギモド アルファ[遺伝子組換え]・ボルヒアルロニダーゼ アルファ[遺伝子組換え](商品名:ヒフデュラ)を含有したプレフィルドシリンジ製剤。  gMGは、IgG自己抗体が神経と筋肉の間の伝達を妨害することで、消耗性で生命を脅かす可能性のある筋力低下を引き起こすまれな慢性自己免疫疾患。全身の筋力低下、易疲労性が出現し、とくに眼瞼下垂、複視などの眼の症状を起こしやすい。重症化すると呼吸筋の麻痺を来し、呼吸困難になることもある。

網膜の血管から心臓病リスクを予測可能か

 「目は心の窓」とよく言われるが、新たな研究によると、目は心臓の健康状態を知るための窓としても機能する可能性があるようだ。新たな研究で、網膜の血管から心臓病のリスクや老化の加速の有無を予測できる可能性のあることが明らかになった。マクマスター大学(カナダ)医学部のMarie Pigeyre氏らによるこの研究結果は、「Science Advances」に10月24日掲載された。研究グループは、「将来的には、医師は定期検診の一環として網膜スキャンを実施するようになるかもしれない」と述べている。  Pigeyre氏は、「網膜スキャン、遺伝学、血液バイオマーカーを結び付けることで、われわれは、老化が血管系にどのような影響を与えるかを説明する分子経路を発見した」と語っている。また同氏は、「目は、体内の循環器系を非侵襲的に観察できるという点で他に類を見ない。網膜血管の変化は、全身の微小血管に起こる変化を反映することが多い」と付け加えている。

特発性頭蓋内圧亢進症で視力を失いやすい人とは?

 頭蓋骨内で脳を保護する髄液に原因不明の圧力上昇が生じた状態を指す「特発性頭蓋内圧亢進症(idiopathic intracranial hypertension;IIH)」によって、視力障害が起こる可能性が高い患者を予測する方法を見出したと、南デンマーク大学神経内科学臨床教授のDagmar Beier氏らが報告した。眼内の視神経が網膜につながっている部分(視神経乳頭)の変化に基づき、将来的に視野に暗点(見えない部分)が現れる人や視覚の鮮明さが低下する人を予測できる可能性が示されたという。この研究の詳細は、「Neurology」に10月29日掲載された。

全身型重症筋無力症の治療薬ニポカリマブを発売/J&J

 Johnson & Johnson(法人名:ヤンセンファーマ)は、2025年11月12日に全身型重症筋無力症の治療薬として、ヒトFcRn阻害モノクローナル抗体ニポカリマブ(商品名:アイマービー)を発売した。  重症筋無力症(MG)は、免疫系が誤って各種の抗体(抗アセチルコリン受容体抗体、抗筋特異的キナーゼ抗体など)を産生する自己抗体疾患。神経筋接合部のタンパク質を標的として、正常な神経筋シグナル伝達を遮断または障害することで、筋収縮を障害もしくは妨げる。MGは全世界で70万人の患者がいると推定され性差、年齢、人種差を問わず発症するが、若い女性と高齢の男性に最も多くみられる。初発症状は眼症状であることが多く、MG患者の85%は、その後、全身型重症筋無力症(gMG)に進行する。gMGの主な症状は、重度の骨格筋の筋力低下、発話困難、嚥下困難であり、わが国には約2万3,000人のgMG患者がいると推定されている。

緑内障リスクがある患者の特定でAIが人間を上回る

 人工知能(AI)は、医師が緑内障のスクリーニングをより広く実施できるようにする手助けとなるかもしれない。新たな研究で、機械学習のアルゴリズムは、訓練された人間の評価者よりも緑内障のリスクがある患者を正確に特定できることが示された。英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン眼科学研究所教授のAnthony Khawaja氏らによるこの研究結果は、米国眼科学会議(AAO 2025、10月18〜20日、米オーランド)で発表された。  緑内障は、視神経の乳頭が障害を受けて視野に欠損(盲点の拡大)が生じ、最終的には失明に至る疾患で、多くの場合、眼圧の上昇が原因となる。緑内障は通常、眼圧を下げる点眼薬で治療されるが、手術が必要になることもある。