世界のがん発症や死亡、2050年に6~7割増/Lancet
がんは世界の疾病負担の大きな要因であり、2050年まで症例数と死亡数の増加が続くことが予測され、とくに資源の乏しい国との負担格差が大きくなることが見込まれること、また、がんの年齢標準化死亡率は低下するものの、国連による2030年の持続可能な開発目標(SDG)の達成には不十分であることが、米国・ワシントン大学のLisa M. Force氏ら世界疾病負担研究(Global Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study:GBD)2023 Cancer Collaboratorsの解析で示された。がんは世界的に主要な死因の1つで、政策立案には正確ながん負担情報が欠かせないが、多くの国では最新のがんサーベイランスデータがない。著者は、「世界的ながん負担に効果的かつ持続的に対処するには、予防、診断、治療の全過程にわたるがん対策戦略の策定と実施において、各国の医療システムや開発状況を考慮した包括的な国内外の取り組みが必要である」と提言している。Lancet誌オンライン版2025年9月24日号掲載の報告。