青年期(12歳以上18歳未満)の閉塞性肥大型心筋症(HOCM)患者において、マバカムテンの投与はプラセボ投与と比較して、28週の試験期間にわたり、左室流出路閉塞を有意に大きく改善した。米国・フィラデルフィア小児病院のJoseph W. Rossano氏らSCOUT-HCM Investigatorsが、第III相の二重盲検プラセボ対照無作為化試験の結果を報告した。肥大型心筋症の小児に対する承認薬はなく、左室流出路閉塞を認める患者では外科的介入が選択肢になる。マバカムテンは成人HOCMに対して承認されている選択的心筋ミオシン阻害薬で、有効性と良好な安全性プロファイルが確認されているが、小児患者に対する臨床的評価は行われていなかった。NEJM誌オンライン版2026年3月29日号掲載の報告。
マバカムテン群vs.プラセボ群で左室流出路圧較差の変化量を評価
研究グループは、NYHA心機能分類IIまたはIII度の症候性HOCMの青年期患者(12歳以上18歳未満)を対象に、マバカムテンの有効性と安全性を評価した。
被験者を、マバカムテン群またはプラセボ群に1対1の割合で無作為に割り付けた。マバカムテン群では、ベースライン時点における体重45kg以上は1日1回5mg、35kg以上45kg未満は1日1回2.5mgで投与を開始し、バルサルバ法による左室流出路圧較差および左室駆出率(LVEF)に基づき、増量(5週目と9週目に1段階まで)または減量(12週目と24週目に1段階まで)が可能であった。
主要エンドポイントは、バルサルバ法による左室流出路圧較差の、ベースラインから28週時の変化量であった。
28週時の変化量の群間差は-48.0mmHg
計44例が無作為化された。23例がマバカムテン群(女性8例[35%])、21例がプラセボ群(女性5例[24%])であった。平均(±SD)年齢はマバカムテン群14.7±1.7歳、プラセボ群14.6±1.7歳、ベースラインのバルサルバ左室流出路圧較差はそれぞれ78.4±34.1mmHg、80.8±47.4mmHgであり、両群で類似していた。
28週時点のバルサルバ左室流出路圧較差の最小二乗平均変化量は、マバカムテン群-48.5mmHg、プラセボ群-0.5mmHgであった(群間差:-48.0mmHg、95%信頼区間:-67.7~-28.3、p<0.001)。
有害事象の発現率は両群で同程度であった。重篤な有害事象は、各群2例で認められた。マバカムテン群では1例で失神エピソードを2回、もう1例で植込み型除細動器による不適切ショックが報告された。プラセボ群では1例で胸痛を、もう1例で自殺念慮を伴ううつ病が報告された。
LVEFが50%未満に低下した患者はいなかった。試験期間中の死亡の報告はなかった。
(ケアネット)