β遮断薬投与のLVEF 50%未満の予後、人工知能が予測可能か/Lancet

左室駆出率(LVEF)の低下が認められる心不全患者において、人工知能を用いたクラスタリング法は、β遮断薬の投与がもたらす予後に関して、洞調律の心不全のうち効果が不十分な集団や、心房細動を伴う心不全のうち死亡率が低い集団などの予測が可能であり、この手法は有害な転帰の回避につながる可能性があることが、英国・バーミンガム大学のAndreas Karwath氏らcardAIcグループの検討で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2021年8月27日号に掲載された。 研究グループは、新たな人工知能を用いたアプローチは、併存症の多次元およびより高次元の相互作用を適切に評価し、洞調律や心房細動を有する心不全患者において、β遮断薬の有効性が異なる集団の分類が可能との仮説を立て、これを検証する目的で機械学習を用いたクラスター分析を行った(英国医学研究審議会[MRC]などの助成による)。 β遮断薬に関する9件の二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験の個々の患者データが統合され、これにニューラルネットワークを用いた変分オートエンコーダおよび階層的クラスタリング法が適用された。