初発の慢性骨髄性白血病に対するニロチニブ vs. イマチニブ

慢性骨髄性白血病の分子標的治療薬イマチニブ(商品名:グリベック)は、白血病細胞の原因となるBCR-ABL蛋白を阻害し作用を発揮する。ニロチニブ(商品名:タシグナ)は、イマチニブよりも強力かつ選択的にBCR-ABLを阻害するとして、イマチニブ抵抗性あるいは不耐容の慢性期および移行期のCML患者に対する治療に有用とされている。イタリア・トリノ大学のGiuseppe Saglio氏らの治験グループ「ENESTnd」は、ニロチニブの第3相試験として、初発の慢性期のフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+ CML)患者を対象に、イマチニブとの直接比較で有効性と安全性の評価を行った。NEJM誌2010年6月17日号(オンライン版2010年6月5日号)より。