ハイリスク非ST部上昇急性冠症候群患者への未分画ヘパリン低用量投与の安全性:FUTURA/OASIS-8

提供元:ケアネット

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公開日:2010/10/12

 



フォンダパリヌクス(商品名:アリクストラ)治療を受け、72時間以内に経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けるハイリスク非ST部上昇型急性冠症候群(ACS)患者に対し、未分画ヘパリンを低用量投与しても、標準用量の場合と比べ、出血や穿刺部合併症リスクは減少しないことが、「FUTURA/OASIS-8」試験の結果、報告された。JAMA誌2010年9月22/29日号(オンライン版2010年8月31日号)で発表された。

未分画ヘパリン投与、低用量群50U/kg vs 標準用量群85U/kg




FUTURA(Fondaparinux Trial With Unfractionated Heprin During Revascularization in Acute Coronary Syndromes)/OASIS-8試験は、2009年2月~2010年3月にかけて、18ヵ国、179の医療機関を通じ、2,026人を対象に行われた。被験者は、フォンダパリヌクス投与を受けた、ハイリスク非ST部上昇型ACS患者で、72時間以内にPCIを受けた。

被験者は無作為に二群に分けられ、一方の群には未分画低用量ヘパリン50U/kgを、GP IIb/IIIa受容体阻害薬投与の有無は問わずに投与した。もう一方の群には、未分画標準用量ヘパリン85U/kg(または60U/kgとGP IIb/IIIa受容体阻害薬)を投与し、ACT(活性化凝固時間)により補正を行った。

主要アウトカムは、PCI後48時間の重大出血と小出血、血管穿刺部の主な合併症の統合イベントだった。副次アウトカムには、PCI後48時間の重大出血、死亡、心筋梗塞、30日以内の目標血管の血管再生術の統合イベントなどを含んだ。

PCI後48時間までの出血や穿刺部合併症発生率に両群で有意差なし




結果、主要アウトカムの発生率は低用量群が4.7%、標準用量群が5.8%で、両群に有意差は認められなかった(p=0.27)。

出血に関して、重大出血には有意差は認められなかったものの、小出血は、標準用量群1.7%に対し、低用量群0.7%と低率だった(オッズ比:0.40、95%信頼区間:0.16~0.97、p=0.04)。

また副次アウトカムの発生は、低用量群5.8%、標準用量群3.9%だった(オッズ比:1.51、同:1.00~2.28、p=0.05)。死亡・心筋梗塞・30日以内の目標血管の血管再生術の統合イベント発生も、低用量群4.5%、標準用量群2.9%であった(p=0.06)。

カテーテル性血栓の発生は、両群とも低率だった(低用量群0.5%、標準用量群0.1%、p=0.15)。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)