禁煙法施行で小児喘息入院が著明に減少:スコットランド

提供元:ケアネット

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公開日:2010/09/29

 



スコットランドでは2006年3月に禁煙法が施行され、公共の場における喫煙が全面的に禁止された。これまでの研究では、施行後、パブで働く従業員における呼吸器症状が減少したとの報告がなされている。本論は、英国グラスゴー大学公衆衛生部門のDaniel Mackay氏らによる、職場などに限定することなく受動喫煙曝露のなくなった集団において呼吸器疾患が減少したかどうかを調査した初の報告で、小児喘息による入院率減少を評価した結果、関連が認められたと報告している。NEJM誌2010年9月16日号より。

禁煙法は小児喘息による入院を減らしたかを評価




Mackay氏らは、人口510万人のスコットランドの急性期病院で普及している入院診療データ記録SMR01から、2000年1月~2009年10月までの15歳以下の小児喘息による全入院記録を収集した。

データは、年齢群、性別、社会経済水準五分位群、居住地域(都市部か地方か)、月、年別で補正後、負の二項回帰モデルを適合し、小児喘息による入院率の検討が行われた。

喘息による入院は年5.2%増から18.2%減と著明に減少




禁煙法施行前、喘息による入院は1年につき平均5.2%(95%信頼区間:3.9~6.6)の割合で増加していた。一方、禁煙法が施行された2006年3月26日時点の入院率と比較して、法施行後は1年につき平均18.2%減少した(同:14.7~21.8、P<0.001)。

この減少の傾向は、検討された就学前(幼稚園児)と就学後(小学生)いずれにおいても顕著で、年齢群、性別、居住地(都市部か地方か)、地域、また社会経済水準の五分位群別にみた場合も、いずれも喘息による入院との間で明らかな交互作用は認められなかった。

これらの結果から研究グループは、「受動喫煙の職業的曝露のない集団においても、禁煙法施行後、呼吸器疾患の減少との関連が認められた」と結論している。

(朝田哲明:医療ライター)