ハイリスク神経芽腫、標準療法への免疫療法追加が転帰を有意に改善

提供元:ケアネット

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公開日:2010/10/13

 



15歳未満の小児がん死亡の12%を占める神経芽腫は、標準治療が10年以上前に確立されているが、患児の半数以上を占めるハイリスク神経芽腫は、大量化学療法・集学的治療を行っても、再発から転帰へと至り長期生存に乏しい。そうしたハイリスク神経芽腫患児に対し、新たに開発されたch14.18の免疫療法を追加することで、転帰が有意に改善されたことが、カリフォルニア大学のAlice L.Yu氏らの研究グループにより報告された。NEJM誌2010年9月30日号掲載より。

標準治療に免疫療法を追加




ch14.18は、腫瘍細胞表面に発現するジシアロガングリオシドGD2を標的とするモノクローナル抗体で、これまでの前臨床・予備的臨床データから、神経芽腫に対する活性があること、特に顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)あるいはインターロイキン(IL)-2との併用で活性が高まることが示されている。

Yu氏らは、大量化学療法・集学的治療後のハイリスク神経芽腫患児に対し、標準治療(isotretinoin療法)に加えて、新たに開発されたch14.18とGM-CSF、インターロイキン-2の治療を追加することで、転帰が改善するかどうかを評価する試験を行った。

適格患者226例を、標準治療(isotretinoin療法6サイクル)または免疫療法(isotretinoin療法6サイクル+ch14.18に加えてGM-CSFまたはインターロイキン-2の併用を交互に5サイクル)を受ける群に1対1の比率で無作為に割り付け、両群のイベントなし生存率と全生存率をintention-to-treat解析にて比較した。

2年後のイベントなし生存率、全生存率とも有意に改善




免疫療法群では、グレード3、4、5の疼痛が合計52%の患者に認められ、23%の患者に毛細血管漏出症候群が、25%に過敏反応が認められた。

有効性に基づく試験早期中止の基準は、予想されたイベント数の61%が観察された時点で満たされ、追跡期間中央値は、2.1年だった。

2年時点での、イベントなし生存率(66±5%対46±5%、P=0.01)、全生存率(86±4%対75±5%、中間解析未補正のP=0.02)とも、免疫療法が標準治療より優れていた。

これらの試験結果から研究グループは、ハイリスク神経芽腫患児に対する、ch14.18とGM-CSF、インターロイキン-2を併用した免疫療法は、標準治療と比較してアウトカムの有意な改善と関連していたと結論づけた。

(朝田哲明:医療ライター)