日本発エビデンス|page:71

抗血小板薬の投与期間と超遅発型ステント血栓症の発症:J-Cypher

現在、薬剤溶出ステント(DES)留置後のデュアル抗血小板療法(DAPT)が超遅発型ステント血栓症(VLST)を減少させるというエビデンスは明らかに欠如している。しかし、臨床現場ではVLST発症を懸念し、DES留置後1年以上にわたりDAPT療法が広く行われている。この点に関して、京都大学の木村氏らは、J-Cypherステントレジストリの解析結果を発表した。その発表によると、シロリムス溶出ステント(SES)留置後1年を超えたチエノピリジンの長期使用は、VLSTリスクや、死亡、心筋梗塞または脳卒中を含む重篤な心血管イベントリスクの減少と有意な関連性を認めなかった。Cardiovasc Interv Ther誌オンライン版6月14日号掲載。

レミフェンタニルの使用は脳腫瘍切除または直腸がんの術後早期アウトカムに影響するか?

レミフェンタニル(商品名:アルチバ)は脳神経外科麻酔にとって重要な特徴があるが、術後回復と死亡率に及ぼす影響に関するデータが不足している。そこで、東京大学の内田氏らは、2007年のDPCデータを用いて、術後の院内死亡率や入院期間に対するレミフェンタニルの効果を検討した結果を、Journal of anesthesia誌オンライン版に5月4日に報告した。

「症状出現」からの時間 と 「来院」からの時間。 臨床転帰に与える影響は?: CREDO-Kyoto

直接的経皮的冠動脈インターベンション(Primary PCI)は、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者の治療において中心的な役割を果たし、「症状出現」や「来院」からバルーン拡張までを短時間で行うことが米国や欧州のガイドラインで推奨されている。しかし、これまで、「来院」からの時間の短縮化に関しては、否定的な結果も報告されてきた。

高齢者の非小細胞肺がんに化学放射線療法は有益 日本臨床腫瘍研究グループ無作為化第III相試験の結果(JCOG0301)

化学放射線療法が、高齢者の局所進行非小細胞肺がんの全生存期間を改善するかは知られていない。Atagi氏らは、胸部放射線照射+低用量連日カルボプラチン併用療法が、放射線単独療法に比べ、高齢者の非小細胞肺がん患者の生存期間を延長するか評価している。結果の概要は昨年11月開催の第52回日本肺癌学会総会で発表されたが、その詳細がThe Lancet Oncology 2012年5月21日オンライン版に掲載された。

糖尿病予備群および早期糖尿病の患者を対象としたORIGINの結果を発表

フランスのサノフィ社は11日(現地時間)、ORIGIN試験(Outcome Reduction with Initial Glargine Intervention)の結果を報告し、ランタス(一般名:インスリングラルギン〔遺伝子組換え〕)は標準的治療に比べ、心血管系イベントの発生に対して統計的に悪影響を及ぼさないことを発表した。また同試験の結果より、インスリングラルギンは糖尿病予備群から2型糖尿病への進行を遅らせること、また同薬の投与と癌のリスク上昇との間に関連を認めないことが明らかにされた。サノフィ・アベンティスが14日に報告した。また試験結果は、第72回米国糖尿病学会において発表され、New England Journal of Medicine (NEJM)のオンライン版にも掲載された。

ベアメタルステント留置後の超遅発性ステント血栓症の原因は? :小倉記念病院

これまでベアメタルステント(BMS)留置後にvery late stent thrombosis(VLST)が発生する病態生理学的なメカニズムは明らかになっていなかった。小倉記念病院の山地氏らは、明らかなステント血栓症を有するBMS留置102例の解析により、留置後3年超のVLSTの原因として、ステント内新アテローム性動脈硬化の破裂が、重要な役割を果たしている可能性があることをCirc Cardiovasc Interv誌2012年2月号にて報告した。

うつ病治療“次の一手”は?SSRI増量 or SNRI切替

重症うつ病の治療において第2段階の治療戦略を比較した報告は少ない。第一選択薬として使用したSSRIで治療効果が不十分だった場合、増量するべきか、SNRIへの切り替えを行うべきか明らかになっておらず、それぞれの忍容性と有効性を評価する必要がある。Bose氏らはSSRIであるエスシタロプラム10㎎/日で効果不十分であった患者における次の治療選択として、エスシタロプラムの増量とSNRIであるデュロキセチンへ切り替えた場合について比較検討した。Clin Drug Investig誌2012年6月号掲載。

日本おける抗精神病薬の用量はアジア各国と比較し、まだ多い―REAP調査―

アジア各国の協力のもと、東アジアにおける向精神薬処方調査(REAP)が1999年より実施されている。今回、Xiang氏らはアジア各国における高齢の統合失調症入院患者における抗精神病薬の低用量(クロルプロマジン換算300mg/日以下)処方と人口統計学的および臨床的相関について検討し、報告を行った。Int Psychogeriatr誌2012年6月号(オンライン版2012年2月3日号)掲載。

安定COPD患者における運動中の交感神経活性に対するチオトロピウムの効果

チオトロピウムはオキシトロピウムに比べ、運動時の交感神経活性を抑制することが国立病院機構 刀根山病院の好村氏らによって報告された。好村氏らは「交感神経活性の抑制効果は呼吸機能、運動耐容能の改善や労作時の息切れを減少させる要因となると考えられ、呼吸数や心拍数の減少、動脈のアシドーシスの進展抑制とも関連していることが示唆された」と結論している。これまでチオトロピウムがCOPD患者の労作時の息切れを改善することや、うっ血性心不全のリスクを低下させることが知られていたが、運動時の交感神経活性に対する効果については知られていなかった。Int J Chron Obstruct Pulmon Dis 誌2012年5月22日(オンライン版2012年5月2日)掲載の報告。

わが国の乾癬治療における生物学的製剤の費用対効果 3剤比較

わが国では、この数年のうちに、中等症から重症の乾癬に対して生物学的治療が導入されるようになった。NTT東日本関東病院の五十嵐氏らは、日本の医療環境におけるアダリムマブ、インフリキシマブ、ウステキヌマブによる治療の費用対効果を評価すべく、本試験を実施。「日本の乾癬治療の現場においても、ウステキヌマブはアダリムマブやインフリキシマブと比較して費用対効果のよい生物学的製剤である」と結論づけている。Journal of Dermatological Treatment誌オンライン版2012年5月28日掲載の報告。

関節リウマチ治療薬への新たな期待 【アバタセプト全例調査 中間解析結果】

2012年4月に開催された第56回日本リウマチ学会総会・学術集会(JCR2012)において、アバタセプト(商品名:オレンシア)の使用成績調査(全例調査)の中間解析結果が報告された。これを受けて2012年5月25日、ブリストル・マイヤーズ株式会社による記者発表会が開催され、産業医科大学第1内科学講座の田中良哉氏によって講演が行われた。

双極性障害患者に対するオランザピン単剤 or 併用の忍容性

リリー・リサーチ・ラボラトリーズの片桐氏らは日本人双極性障害患者に対しオランザピンを単剤または気分安定薬との併用にて18週間投与し、長期の安全性および有効性を検討した。その結果、「日本人でも欧米と同様、良好な結果が得られた」として、Curr Med Res Opin誌2012年5月号(オンライン版4月10日号)にて報告した。

アログリプチンとメトホルミンの国内併用試験

 日本人2型糖尿病患者を対象に、メトホルミン+アログリプチン併用療法とメトホルミン単剤療法の有効性と安全性を比較した国内試験結果が発表された。関西電力病院の清野氏らによる研究で、Diabetes Obes Metab誌オンライン版に2012年5月14日掲載された。  対象は食事療法、運動療法に加えてメトホルミン(500 mg /日または750 mg /日)を追加しても血糖コントロールが不十分な日本人2型糖尿病患者288名。無作為二重盲検並行群間比較法により、メトホルミン投与に加え、アログリプチン(12.5 mg/日または25mg/日)またはプラセボを1日1回12週間投与した。

日本人の睡眠満足度は低い「より積極的な問診が必要」-日米仏3ヵ国睡眠調査より-

現代では24時間型の生活習慣による生活の乱れや、高齢化、ストレスに満ちた社会環境などにより、国民の約5人に1人は睡眠に悩んでいるといわれ、不眠症は誰にでも起こりうる現代病のひとつといえる。不眠は、集中力や気力、充実感といった日中パフォーマンスの低下を招くだけでなく、糖尿病や高血圧をはじめとする生活習慣病やうつ病のリスクともなる。

わが国の認知症有病率は従来の報告よりかなり高い:第53回日本神経学会学術大会より

わが国の最新の全国調査によると、65歳以上の認知症有病率は14%と推計され、これまで報告されていた有病率(3.8~7.2%)と比較して明らかに高くなっていることが、現在開催中の第53回日本神経学会学術大会(5月22日~25日、東京国際フォーラム)における認知症疫学に関するシンポジウムにて、筑波大学 朝田 隆氏より報告された。

糖尿病スクリーニングでは、空腹時血糖値とHbA1c値の両方測定が有効か?

2型糖尿病のスクリーニングにおいて、空腹時血糖値(FPG)単独、またはHbA1c値単独、あるいはその両方の測定、のいずれが有用かを比較検討した後ろ向きコホート研究の結果が発表された。帝京大学の野村氏らにより、PLos One誌(2012年4月27日付)に報告された。 対象は、ベースライン時点で糖尿病を発症していない19歳~69歳の9,322名の日本人成人(男性:4,786名、女性:4,536名)。有用性は、予測値(PV)、感度、特異性、最大カットオフ値における最大ROC曲線下面積(AUROC)により評価した。