日本発エビデンス|page:116

お米を食べるほど睡眠は良質に?

 これまでに、GI(グリセミック指数、食後血糖値の上昇度を示す指標)の高い食品が良好な睡眠の質に関連することが報告されている。金沢医科大学の米山 智子氏らは、日本人男女の集団において、GI値の異なる3種類のデンプン食(米・パン・麺類)の摂取量および食事のGI値と睡眠の質との関連を調査した。その結果、高GI食と米の高摂取が良好な睡眠の質と有意に関連する一方、パン摂取量は睡眠の質と関連せず、麺類摂取量は低い睡眠の質と関連することが示された。著者らは、これらのデンプン食と睡眠の質における関連性の違いは、各食品のGI値の違いによると推測している。PLoS One誌2014年8月15日号に掲載。

ピロリ除菌、糖尿病だと失敗リスク2倍超

 Helicobacter pylori(HP)の除菌において、糖尿病の存在が抗菌薬の有効性を低下させることが懸念されている。新潟大学の堀川 千嘉氏らは、糖尿病患者の除菌失敗リスクに及ぼす糖尿病の影響を調べるためにメタ解析を行った。その結果、糖尿病患者のHP除菌失敗リスクが非糖尿病者に比べて高いことが確認され、糖尿病患者のHP除菌での治療延長や新たな除菌レジメン開発の必要性が示唆された。Diabetes research and clinical practice誌オンライン版2014年7月23日号に掲載。

脳転移乳がんのタイプ別予後~国内24施設

 東海大学の新倉 直樹氏らは、脳転移した乳がん患者の予後因子を調べるために、国内24施設で脳転移と診断された乳がん患者において、乳がんのサブタイプごとに臨床経過と予後を比較し、死亡原因を分析した。その結果、脳転移した乳がん患者における転移前・後の臨床経過および予後は、サブタイプにより異なることが示唆された。著者らは、乳がんのサブタイプに着目することにより、脳転移の予防や早期発見、治療の改善を最大限に行えるとしている。Breast cancer research and treatment誌オンライン版2014年8月9日号に掲載。

ステージIV大腸がんの位置による予後の違い

 右側結腸がんは左側結腸がんとは生物学的に異なると考えられているが、予後の違いについては矛盾する結果が報告されている。東京大学の石原 聡一郎氏らは、ステージIV結腸がんにおいて腫瘍位置が予後に及ぼす影響を明らかにするために、多施設共同研究による傾向スコア分析を実施した。その結果、ステージIVの右側結腸がんは、左側結腸がんに比べて、同じステージIVでもより進行した状態で診断され、予後が有意に不良であったことから、腫瘍学的に左側結腸がんより侵攻性であることが示唆された。International Journal of Surgery誌オンライン版2014年8月1日号に掲載。

日本の血液由来MRSAの感受性動向

 北里大学の花木 秀明氏らは、2008年1月~2011年5月の3年間にわたり、全国の病院から集めた血液由来のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)830株について薬剤感受性調査を実施した。その結果、血液由来のMRSAにバンコマイシン軽度耐性黄色ブドウ球菌(VISA)が蔓延していること、バンコマイシンへテロ耐性黄色ブドウ球菌(hVISA)とβラクタム薬誘導性バンコマイシン耐性MRSA(BIVR)の2つの表現型を示す株の割合が高いことが認められた。Journal of infection and chemotherapy誌オンライン版2014年7月22日号に掲載。

コーヒーを多く飲む人は顔のシミが少ない

 日本人中年女性131名を対象とした検討の結果、コーヒーおよびポリフェノール摂取量が多い人ほど顔のシミが少ないことが明らかにされた。ネスレ日本の福島 洋一氏らが報告したもので、「コーヒーは、日焼けによる皮膚の老化の予防に役立ち、クロロゲン酸を含むポリフェノールにはシミにみられる色素過剰を減じる可能性があると思われる」とまとめている。International Journal of Dermatology誌オンライン版2014年7月11日号の掲載報告。

なぜコーヒーでがんリスクが低下?

 習慣的なコーヒー摂取はいくつかのがんのリスク低下に関連付けられている。その機序として、コーヒー摂取により発がんの重要な経路である酸化的DNA損傷が減少する可能性がある。国立国際医療研究センター 客員研究員の堀 愛氏らは、コーヒー摂取と、体内の酸化的DNA損傷・修復のバイオマーカーである尿中8-ヒドロキシデオキシグアノシン(8-OHdG)濃度の関連を調査した。その結果、女性ではコーヒー摂取により体内貯蔵鉄が減少し、このことが体内の酸化的DNA損傷の減少に関連している可能性が示唆された。Nutrition and Cancer誌オンライン版2014年7月25日号に掲載。

開発中のブレクスピプラゾール、その実力は

 新規開発中のブレクスピプラゾール(brexpiprazole、OPC-34712)について、同薬は抗精神病作用を有し、錐体外路症状の副作用リスクは低いこと、統合失調症に関連する認知障害に有効である可能性などが、動物実験の結果、示唆された。同薬を開発する大塚製薬のMaeda Kenji氏らが報告した。Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics誌オンライン版2014年6月19日号の掲載報告。

18歳までに発症のネフローゼ症候群、リツキシマブで再発抑制/Lancet

 小児期発症の難治性頻回再発型ネフローゼ症候群(FRNS)、ステロイド依存性ネフローゼ症候群(SDNS)に対する、リツキシマブ(商品名:リツキサン)の有効性および安全性が実証された。神戸大学大学院小児科学分野教授の飯島 一誠氏らが、48例の患者を対象に行った多施設共同無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果で、リツキシマブ投与により、無再発期間は2倍以上延長したことが報告された。Lancet誌オンライン版2014年6月23日号掲載の報告より。

日本人うつ病患者に対するアリピプラゾール補助療法:名古屋大学

 抗うつ療法(ADT)を施行した日本人の大うつ病性障害(MDD)患者におけるアリピプラゾール補助療法を検討した無作為化プラセボ対照試験であるADMIRE研究において、アリピプラゾール補助療法はADT単独よりも優れ、忍容性も良好であったことが報告されている。名古屋大学の尾崎 紀夫氏らは、人口統計学的因子および疾患関連因子の影響、また各症状の改善とMDD全体の改善との関連についてサブ解析を実施した。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2014年6月26日号の報告。

喫煙する家族と暮らす女性は脳卒中リスクが増加~日本の大規模前向きコホート研究

 大阪・愛知・宮城の三府県コホート研究グループでは、日本の大規模前向きコホート研究のデータを用いて、成人期の受動喫煙曝露と脳卒中およびそのサブタイプとの関連を検討した。その結果、成人期の家庭内受動喫煙曝露が非喫煙女性の脳卒中リスクの増加に関連していることが示唆された。Preventive Medicine誌オンライン版2014年6月28日号に掲載。

抗精神病薬服用が骨密度低下を引き起こすのか:千葉大学

 これまでに、統合失調症患者において長期の抗精神病薬服用により骨粗鬆症/骨減少症の高リスクが引き起こされる可能性を示唆するエビデンスが蓄積されてきた。しかし、抗精神病薬服用がどの程度、骨密度(BMD)低下を引き起こすのかについては明らかになっていなかった。千葉大学の沖田 恭治氏らは、統合失調症患者における第二世代抗精神病薬と骨代謝との関連について検討した。その結果、統合失調症患者のBMD低下について複雑な原因を示唆する知見が得られたことを報告した。Schizophrenia Research誌オンライン版2014年5月30日号掲載の報告。

冬季の血圧は外気温より室温に強く関連~日本における大規模研究

 冬季における脳心血管疾患による死亡率上昇は、冬季の気候が厳しい地域より外気温の低下が少ない地域で大きいことが報告されている。このことから、冬季の死亡率上昇は外気温よりも室温による影響が考えられる。これまで、皮膚温低下による血圧上昇、外気温低下による血圧上昇は報告されているが、室温が自由行動下血圧に及ぼす影響は明らかになっていない。奈良県立医科大学の佐伯 圭吾氏らは、室温および外気温と自由行動下血圧との関連性を比較し、寒い時期において外気温より室温のほうが血圧との関連が強いことを報告した。Journal of Hypertension誌オンライン版2014年6月16日号に掲載。

治療抵抗性統合失調症に対する漢方薬「抑肝散」の有用性:島根大学

 統合失調症患者のうち抗精神病薬が無効の治療抵抗性患者は20~25%を占めると推定されている。漢方薬の抑肝散は、D2および5-HT1Aの部分的作用、5-HT2Aとグルタミン酸の拮抗作用を有しており、最近行われた試験において、認知症やその他の神経精神症状と関連した行動および精神症状の治療において、安全かつ有用であることが示されていた。今回、島根大学の宮岡 剛氏らによる多施設共同二重盲検プラセボ対照の無作為化試験の結果、治療抵抗性統合失調症に対する漢方薬「抑肝散」の有用性が実証された。結果を踏まえて著者は、「抑肝散は、治療抵抗性統合失調症の補助的治療戦略となりうることが示された。とくに、興奮や敵愾心の症状改善に有用と思われる」とまとめている。Psychopharmacology誌オンライン版2014年6月13日号の掲載報告。