食後高血圧:見過ごしがちな動脈硬化のリスクマーカー

提供元:ケアネット

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公開日:2012/08/16

 

 愛媛大学大学院医学研究科加齢制御内科学の上谷英里氏らは、動脈硬化の新たなリスクマーカーとして食後高血圧をAtherosclerosis誌に発表した。この研究成果は7月20日出版に先駆けてインターネットで公開された。

 食後高血糖や食後高脂血症が動脈硬化、心血管イベントのリスクファクターであることが従来より知られており、実臨床においてはそれらに特化した治療も行われている。しかし、高血圧に関しては、夜間高血圧や早朝高血圧は目を向けられてきたものの、食後高血圧はこれまで見過ごされていた。

上谷氏らは、健康な中高齢者(平均年齢=66±9歳)を対象に、食事前後の血圧と動脈硬化の相関を調査した。血圧は食直前および食後30分の2回を同日に測定し、動脈硬化は上腕-足首脈波伝播速度および頚動脈内膜中肥厚にて評価した。

主な結果は下記のとおり。

1.〔食直前の平均収縮期血圧〕127±18mmHg
 〔食後30分の平均収縮期血圧〕123±18mmHg
2. 20mmHg以上の血圧低下が認められた割合は8.4%(n=112)
  10mmHg以上の血圧上昇が認められた割合は9.6%(n=129)
3. 動脈硬化は食後血圧上昇群、食後血圧低下群のいずれにおいても高率で認められた
4. 収縮期血圧の変化度は、食前の収縮期血圧値と強く相関していた(r=0.335,P<0.001)
5. 食後血圧低下と動脈硬化の相関は、食前の収縮期血圧値の調整後失われた
6. 多変量回帰分析の結果、インスリン抵抗性、頸動脈厚、脈波伝播速度が食後血圧上昇の独立した因子であった

(ケアネット 藤原 健次)