テネリグリプチンの日本人での有効性

提供元:ケアネット

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公開日:2012/07/17

 



2012年6月に国内での製造販売承認を取得した、新規DPP-4阻害薬「テネリグリプチン(商品名:テネリア)」の日本人2 型糖尿病患者におけるデータが発表された。

テネリグリプチン1日1回投与の安全性および24時間にわたる血糖コントロールを評価したところ、テネリグリプチンが、プラセボと比較して低血糖の発現なく、食後2時間血糖値、24時間平均血糖値、空腹時血糖値を有意に改善することが明らかになった。

この結果は、ピーエスクリニックの江藤氏らによりDiabetes Obes Metab誌Early Online Publication 2012年7月10日付で報告された。

対象は、食事・運動療法でコントロール不十分な日本人2 型糖尿病患者99例。被験者を無作為にテネリグリプチン10mg群、同20 mg群、プラセボ群に割り付け、4週間、朝食前投与を行った。無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験である。

主な結果は以下のとおり。

・テネリグリプチン投与群は10mg、20mg両群とも、プラセボ群に比べ、食後2時間血糖値、24時間平均血糖値、空腹時血糖値を有意に低下させた。
・食後2時間血糖値について、テネリグリプチン10mg群のプラセボ群に対する差は、朝食後:-50.7±7.8 mg/dL、昼食後:-34.8±9.2 mg/dL、夕食後:-37.5±7.5 mg/dLであった(最小二乗平均(LS means)±標準誤差(SE)、すべてp <0.001)。同様に、テネリグリプチン20mg群のプラセボ群に対する差は、それぞれ-38.1±7.8 mg/dL、-28.6±9.2 mg/dL、-36.1±7.5 mg/dLであった(p <0.001、p <0.01、p <0.001)。
・テネリグリプチン両群において、プラセボと比較して食後の血中活性型GLP-1濃度の増加がみられた。
・全群間で、有害事象や薬剤性有害事象の発現率は同等で、低血糖発現や重篤な有害事象は認められなかった。

(ケアネット 佐藤 寿美)

〔関連情報〕 動画による糖尿病セミナー (インスリンなど)