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日本語版COPDアセスメントテスト(CAT)は普及するか?

「日本語版COPDアセスメントテスト(CAT)は、高い信頼性と妥当性を有する、短く簡単な質問表として、COPD患者の健康状態を的確に評価するうえで役立つ可能性がある」と霧ヶ丘つだ病院の津田氏らが報告した。CATはCOPD患者の健康状態を評価したり、心理特性を確認するために用いられる質問票であり、近年、海外で普及が進んでいる。Respiratory investigation誌2012年6月号(オンライン版2012年6月19日号)掲載の報告。

アジアの臨床腫瘍学のエピセンターを目指すJSMO2012 第10回日本臨床腫瘍学会学術集会プレスセミナーより

今年の日本臨床腫瘍学会(以下、JSMO)学術集会は10周年記念大会として、"Beyond the Global Standard of Medical Oncology 縲弃erspectives from Asia縲鰀"をテーマとして掲げ 、7月26日~28日の3日間、大阪国際会議場で開催される。10ヵ所の講演会場とポスター会場を使い、1,000題を超えるプレゼンテーションが行われる。今年の学術集会の見どころを、13日に行われたプレスセミナーで、会長である近畿大学医学部内科学教室腫瘍内科部門 教授 中川和彦氏が紹介した。

SGLT2阻害薬「イプラグリフロジン」の、BG薬併用下での安全性は?

 2型糖尿病患者に対する、SGLT2選択的阻害薬「イプラグリフロジン」のメトホルミン(商品名:メトグルコなど)併用下での安全性データが発表された。Veltkamp SA氏らによるClin Ther誌オンライン版2012年7月13日付での報告。  この結果、イプラグリフロジンとメトホルミンの14日間併用投与は、低血糖の発現なく、良好な忍容性を示し、イプラグリフロジンの併用は、メトホルミンの薬物動態(PK)特性には、臨床的変化はもたらさないことが明らかになった。

うつ病予防に「脂肪酸」摂取が有効?

うつ病リスクの増悪にn-3系多価不飽和脂肪酸(PUFA)の摂取量や血中レベルの低下が影響していると考えられているが、まだ明らかになってはいない。Park Y氏らは赤血球中のn-3系PUFAや魚類の摂取量がうつ病リスクと負の相関を示すのではないかと考え、この仮説を明らかにするためケースコントロール研究を行った。Ann Nutr Metab誌オンライン版2012年7月6日号の報告。

慢性歯周炎の患者は乾癬の発症リスクが高い?

乾癬と慢性歯周炎(chronic periodontitis:CP)は共通して免疫異常が疾患発症の根底にあるとされているが、今日までに、小規模な横断的パイロットスタディのみでしかその可能性は研究されていない。台北医科大学のKeller氏らは台湾におけるコホートデザインと人口データベースを利用し、CPの診断後における乾癬の発症リスクについて調査を実施した。British Journal of Dermatology誌オンライン版2012年7月号の報告より。

出産後のうつ病リスクは「10~15%」新スクリーニングツール期待

 先進諸国で最も頻度の高い妊娠合併症である「産後うつ病」。産後うつ病(PPD)は新たに母親になる女性の10~15%で発症する。PPDの発症が高い要因として、PPD自体に対する関心の低さや出産後の不安への対応を含むメンタルヘルスの不足が考えられる。その対策として、出産後だけでなく出産前からのメンタルヘルスが重要である。しかし、現在用いられる出産前スクリーニングツールは感度や特異性が低かった。そこで、McDonald氏らは新たなスクリーニングツールの開発を行った。Paediatr Perinat Epidemiol誌2012年7月号(オンライン版2012年5月9日号)報告。

新たな分子標的薬の登場で腎細胞がん治療はどう変わるのか?

腎細胞がん治療において、現在わが国で発売されている分子標的薬は4剤あり、日本泌尿器科学会の腎癌診療ガイドライン2011年版では、1次治療ではMSKCCリスク分類別、2次治療では前治療別に薬剤が推奨されている。そのなかで、新たな分子標的薬であるアキシチニブ(商品名:インライタ)が、2012年6月29日、根治切除不能または転移性の腎細胞がんの治療薬として承認された。今回、ファイザー株式会社によるプレスセミナーが7月11日に開催され、慶應義塾大学泌尿器科教授 大家基嗣氏と近畿大学泌尿器科教授 植村天受氏が、腎細胞がん治療における現状・課題、アキシチニブの特性や臨床成績、今後の展望などについて講演した。その内容をレポートする。

認知症予防のポイント!MCIへのアプローチ

認知症は軽度認知障害(MCI)から始まり、徐々に認知機能が低下していくため、認知症を予防するためのひとつの方法として、MCIの段階でいかに対処していくかが重要であると考えられる。Summers氏らはMCI症例に対する神経心理学的アプローチに関する検討を行った。Neuropsychology誌2012年7月号(オンライン版2012年5月21日号)の報告。

統合失調症患者は“骨折”しやすいって本当?

近年、統合失調症患者では骨粗鬆症の罹患率が高いことが明らかになってきているが、著しい骨密度(BMD)の減少にいたる機序や臨床的意味はまだわかっていない。慶応義塾大学の岸本氏(Zucker Hillside Hospital留学中)らは統合失調症患者における骨粗鬆症と骨折リスク、さらに抗精神病薬誘発性高プロラクチン血症の骨代謝への影響について、最近の知見をもとにレビューを行った。Curr Opin Psychiatry誌オンライン版2012年6月30日付の報告。

病床規制の問題1:千葉県の病床配分と医療危機

亀田総合病院小松 秀樹 2012年7月11日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。 ●はじめに 2012年3月30日の厚労省による病床規制継続宣言、千葉県による大量の病床配分と時を同じくして、千葉県最大の基幹病院である国保旭中央病院が、医師不足のため、救急受け入れ制限に追い込まれた。本稿では、病床規制と大量の病床配分が千葉県の医療に与える影響を考える。

PETでみるアリピプラゾール薬理作用「なぜ、EPSが少ないのか」

第二世代抗精神病薬は第一世代抗精神病薬と比較して、錐体外路症状(EPS)を軽減し、抗精神作用を示す。この要因として、放射線医学総合研究所の高畑氏らは優先的な線条体外のドパミンD2受容体占有(辺縁系選択的)が影響しているのではないかと考え、本仮説を検証するため、第二世代抗精神病薬であるアリピプラゾールの薬理学的プロファイルについてPET検査を用い検証した。Psychopharmacology誌2012年7月号(オンライン版2012年1月12日号)の報告。