医療一般|page:1

CKDの早期診断・早期介入の重要性と「協力医」への期待/ベーリンガーインゲルハイム

 腎臓病の早期発見と治療の重要性を啓発することを目的として、毎年3月の第2木曜日は「世界腎臓デー(World Kidney Day)」に制定されている。3月12日の本年の世界腎臓デーに先立ち、日本ベーリンガーインゲルハイムは3月5日に慢性腎臓病(CKD)の啓発を目的としたプレスセミナーを開催した。柏原 直樹氏(川崎医科大学 高齢者医療センター/日本腎臓病協会 理事長)が登壇し、CKDの早期診断・早期介入の意義について解説した。  わが国には約2,000万例のCKD患者がいると推定されており、新たな国民病ともいわれている。腎機能が低下しても自覚症状が乏しいため、多くの患者は気付かないまま生活している。

薬剤性パーキンソニズムリスク、8つの抗精神病薬比較

 薬剤性パーキンソニズムは、主に抗精神病薬によるドパミンD2受容体阻害により引き起こされる。しかし、in vitro試験では、実臨床における臨床転帰の変動性を十分に反映できないケースが多くみられる。韓国・Gachon UniversityのWoo-Taek Lim氏らは、in vitroの薬理学的指標が抗精神病薬使用に伴う薬剤性パーキンソニズムの実臨床リスクと一致するかどうかを評価するため、本研究を実施した。JMIR Public Health and Surveillance誌2026年1月28日号の報告。

HFpEF診療で期待のフィネレノン、適格患者と注意点とは/バイエル

 非ステロイド型選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)フィネレノン(商品名:ケレンディア)は、これまで2型糖尿病かつ慢性腎臓病患者の心不全発生予防に対し有効性が示されていたが、2025年12月22日、新たに「慢性心不全」の適応を取得した。  これを受け、バイエル薬品は2月19日にプレセミナーを開催。昨年の第89回日本循環器学会学術集会で本剤の研究結果や日本人サブ解析データを発表した絹川 弘一郎氏(富山大学第二内科 教授/日本心不全学会理事長)と佐藤 直樹氏(かわぐち心臓呼吸器病院 副院長/循環器内科)が登壇し、心不全治療の課題やフィネレノン処方時の注意点などについて解説した。

インフルへのバロキサビル、感受性低下の割合は?

 キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬バロキサビル マルボキシル(商品名:ゾフルーザ、以下バロキサビル)は2018年2月に承認され、臨床で使用されている。国立感染症研究所の高下 恵美氏らの研究グループは、最初の7シーズン(2017/18~2023/24シーズン)におけるインフルエンザウイルスのバロキサビル感受性を調査した。その結果、感受性低下の割合は1.7%であった。本研究結果は、Eurosurveillance誌2026年1月8日号に掲載された。  研究グループは、WHOのFluNetに報告された国内のインフルエンザウイルス3万7,137件のうち、約500の定点医療機関から収集した検体から週ごとに加重無作為抽出した3,671件について、インフルエンザウイルスの表現型および遺伝子型の解析を実施した。

地中海食が女性の脳卒中予防に有効か

 地中海食の実践は、脳卒中リスクの低下と関係している可能性があるようだ。新たな研究で、食生活が地中海食に最も近い女性では、あらゆる種類の脳卒中のリスクが18%低いことが示された。米City of Hope総合がんセンターのSophia Wang氏らによるこの研究の詳細は、「Neurology Open Access」に2月4日掲載された。Wang氏は、「今回の結果は、健康的な食生活が脳卒中予防に極めて重要であるという、増え続けているエビデンスを支持するものだ」と話している。

超加工食品の大量摂取でがんサバイバーの死亡リスクが上昇か

 がんを克服することは容易ではないが、超加工食品を多く含む食事は、がんサバイバーの将来的な健康を損なう可能性のあることが、新たな研究で明らかになった。超加工食品の摂取量が最も多いがんサバイバーは、最も少ないがんサバイバーに比べて、がんによる死亡リスクが57%高いことが示されたという。IRCCS Neuromed(イタリア)の疫学・予防研究者であるMarialaura Bonaccio氏らによるこの研究結果は、「Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention」に2月4日掲載された。  Bonaccio氏は、「がんと診断された後に何を食べるかは生存に影響を与える可能性があるが、これまでの研究は主に栄養素に焦点を当てており、食品の加工度には注目していなかった。食品の工業的加工に関わる物質は代謝プロセスに干渉し、腸内細菌叢を乱し、炎症を促進する可能性がある。

性格は仕事のやる気より“燃え尽きやすさ”に関係か

 仕事への「やる気」や「燃え尽き」は、個人の性格によってどの程度左右されるのか。今回、日本の企業で働く正社員を1年間追跡した研究から、性格特性はワーク・エンゲージメント(やる気)とは関連しなかった一方で、バーンアウト(燃え尽き)とは有意に関連することが示された。研究は、鳥取大学大学院医学系研究科臨床心理学講座の福崎俊貴氏、獨協医科大学大学院看護学研究科の岩田昇氏によるもので、詳細は1月7日付で「PLOS One」に掲載された。  近年、労働者のメンタルヘルスでは、仕事への前向きさを高め、健康障害を防ぐ「ポジティブな心理状態」が重視されており、その理論的枠組みとして仕事の要求度-資源モデル(JD-Rモデル)が用いられている。

アミバンタマブ・ラゼルチニブ併用時のアピキサバン、使用上の注意改訂/厚労省

 厚生労働省は2026年3月6日、アミバンタマブ、アミバンタマブ・ボルヒアルロニダーゼ アルファ、ラゼルチニブメシル酸塩水和物、アピキサバンの添付文書について、改訂を指示した。改訂内容は、アミバンタマブとラゼルチニブの併用投与時において、静脈血栓塞栓症の発症抑制を目的としてアピキサバンを投与する場合の腎機能障害患者に対する注意喚起の追加である。アピキサバンは、腎不全(クレアチニンクリアランス15mL/min未満)の患者には禁忌であることから、使用上の注意の改訂が適切と判断された。

日本におけるアルコール使用障害に対する薬物療法の開始率はどの程度か

 アルコール使用障害(AUD)は、世界的に広く認められる疾患である。しかし、薬物療法が行われている患者の割合は依然として低いままである。また、日本におけるAUDに対する薬物療法開始パターンは、これまで十分に解明されていなかった。京都大学の北村 美智氏らは、日本で新たにAUDと診断された患者における薬物療法開始の累積発生率を定量化し、評価を行った。Alcohol and Alcoholism誌2026年1月14日号の報告。  日本の保険請求データベースを用いて記述的研究を実施した。2012~21年度にかけて新たにAUDと診断された20~64歳の成人を対象とした年次コホートを作成した。薬物療法開始の累積発生率は、死亡を競合リスクとして、推定した。

胃がんリスク因子の年齢別解析、ピロリ感染と喫煙が高齢で増加

胃がんは依然として世界的ながん死亡の主要な原因の1つであり、その発症には感染、生活習慣、遺伝など複数の要因が関与する。中国の病院を対象とした後ろ向き研究により、胃がん患者におけるリスク因子の分布が年齢層によって異なる可能性が示された。Frontiers in Oncology誌オンライン版2026年1月22日号掲載の報告。 本研究では、中国南部の複数の3次医療機関で診断された胃がん患者903例を対象とし、アンケート調査により生活習慣や臨床背景に関する情報を収集した。解析対象は、18~30歳(50例)、31~55歳(163例)、56歳以上(690例)の3つの年齢群に分類された。評価項目には、Helicobacter pylori(H. pylori)感染、喫煙歴、肥満、萎縮性胃炎、食習慣、既往歴、胃がん家族歴などが含まれた。

膵臓内脂肪沈着に予防効果があるのは食事かリラグルチドか

 肥満症について、カロリー制限食(CRD)の食事療法とリラグルチドによる薬物療法では、脂肪関連指標の変化に違いはあるのだろうか。このテーマに対し中国の南京医科大学附属無錫人民病院内分泌科のHaiyan Cheng氏らの研究グループは、肥満者におけるCRDとリラグルチドの膵内脂肪沈着への影響を比較し、脂肪関連指標と血糖関連パラメータの変化との関連性を探った。その結果、両療法ともに膵脂肪率(PFF)を改善することが判明した。この結果はObesity誌2026年オンライン版2月24日号で公開された。

130mmol/L未満の低Na血症、積極補正vs.標準ケア

 入院患者の低ナトリウム(Na)血症は、転倒や認知機能障害、死亡のリスク上昇と関連することが知られている。しかし、Na値の補正による臨床アウトカムの改善効果は不明である。そこで、Julie Refardt氏(スイス・バーゼル大学病院/オランダ・エラスムス医療センター)らの研究グループは、Na値の積極的な補正が30日以内の死亡または再入院に及ぼす影響を検討することを目的として、多施設共同無作為化比較試験「HIT試験」を実施した。その結果、慢性低Na血症を有する患者に対し、標的介入による積極的な補正を行っても、標準ケアと比較してリスクは低下しなかった。本研究結果は、NEJM Evidence誌2026年3月号に掲載された。

未破裂脳動脈瘤のある健康な人、全死亡リスクが5倍に

 MRIの普及に伴い、症状のない未破裂脳動脈瘤(UIA)が偶然発見される機会が増加している。しかし、偶然発見されたUIAを持つ人の長期的な死亡率や死因については、これまで十分に解明されていなかった。佐賀大学の緒方 敦之氏らが実施した、脳ドック受診者を対象とした前向きコホート研究「The Kashima Scan Study」の結果、偶然UIAが発見された健康な人は、UIAがない人と比較して全死亡リスクが約5倍高く、その主な死因は動脈瘤の破裂ではなく悪性腫瘍であることが判明した。Stroke and Vascular Neurology誌オンライン版2026年2月24日号に掲載。  本研究では、2005年12月~2011年11月に脳ドックを自費で受診した神経学的に健康な成人1,670例(平均年齢57.7歳[範囲23~84]、男性47.5%)を対象とした。平均追跡期間8.7年(SD 2.3)において、MRAで診断されたUIAの有無と死亡率の関連性を、年齢、性別、高血圧、糖尿病、喫煙習慣などの要因を調整したCox比例ハザードモデルを用いて評価した。

AI搭載聴診器で心臓弁膜症の検出率が2倍に

 人工知能(AI)搭載聴診器は、医師が心臓弁膜症(VHD)の兆候を検出する能力を約2倍に高めることが、新たな研究で示された。米カリフォルニア州の医療テクノロジー企業であるEko Health社で医療業務シニアマネージャーを務めるRosalie McDonough氏らによるこの研究結果は、「European Heart Journal-Digital Health」に2月5日掲載された。  McDonough氏は、「AI搭載聴診器は、実臨床において、従来の聴診器よりも中等度から重度のVHDを持つ患者を見つける能力が格段に高いことを示した。この技術により、患者に対する心エコー検査がより早く実施され、VHDが確認された場合には迅速に治療が開始されることが期待されている。集団レベルで見ると、この技術は入院を減らし、医療費全体の削減につながる可能性がある」とニュースリリースで述べている。

35歳以上の双極症発症患者、その特徴は?

 双極症は、若年成人期に発症することの多い精神疾患であるが、いくつかの研究では、高齢期でも発症することが報告されている。しかし、高齢期における双極症の発症率を明らかにし、遅発性と早発性の臨床的特徴を比較した研究は、これまでほとんどなかった。スイス・ローザンヌ大学のBenjamin Lavigne氏らは、35歳以上における双極症の発症率とその特徴を調査し、さらに遅発性と早発性の臨床的特徴を比較するため、本研究を実施した。International Journal of Bipolar Disorders誌オンライン版2026年1月12日号の報告。

若年成人のがん、唯一死亡率が増えているのは?

 若年成人におけるがん罹患率の増加を報告する研究は多数存在するが、検出バイアスの影響を受けにくい死亡率ではどうか。50歳未満の人々における主要5大がんの死亡率の変化を検証した研究結果が、JAMA誌オンライン版2026年1月22日号 「Research Letter」に掲載された。  米国がん協会(アトランタ)のRebecca L. Siegel氏らは、米国健康統計センター(NCHS)の死亡証明データから、1990〜2023年に50歳未満でがん死に至った約127万件を解析した。主要5大がん(大腸がん、肺がん、乳がん、白血病、脳腫瘍)を中心に、年間死亡数および10万人当たりの年齢調整死亡率の推移を評価した。

80歳以上の夜間高血圧、心血管リスクが2倍~日本の前向き研究

 夜間血圧は、診療室血圧や昼間の血圧よりも健康アウトカムの予測因子として優れているが、超高齢患者における夜間高血圧の臨床的意義はわかっていない。今回、自治医科大学の藤原 健史氏らが実施した80歳以上を対象とした前向き観察研究の結果、夜間高血圧群は夜間正常血圧群に比べて複合心血管アウトカムのリスクが2.15倍と高いことが示された。Hypertension誌2026年3月号に掲載。  本研究は80歳以上の日本人高齢外来患者を対象とした前向き観察研究で、全患者にベースライン時に24時間自由行動下血圧測定を実施した。

入れたてのお茶には多くの健康サポート効果がある可能性

 緑茶を毎日摂取する習慣のある人は、気付かないうちに健康増進効果を得ている可能性のあることが報告された。中国農業科学院茶葉研究所のMingchuan Yang氏らの研究によるもので、詳細は「Beverage Plant Research」2025年発行号に掲載された。これまでの研究報告を総括した分析の結果、お茶、特に緑茶が肥満や糖尿病、心臓病、および一部のがんのリスクを抑制することが示唆されたという。さらに、脳の機能を保護したり高齢者の筋肉の減少を遅らせたり、炎症を抑制する作用もあると考えられるとのことだ。

全国データで見えた舌がんの実像

 舌がんは、舌に発生する口腔がんの一つで、進行すると発話や嚥下に大きな影響を及ぼす。日本では舌がんの全国的な動向は十分に把握されてこなかったが、今回、全国レセプトデータを用いた解析により、舌がんが女性の特定年齢層で増加している可能性が示された。研究は、稲毛病院整形外科の城戸優充氏、京都府立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室の辻川敬裕氏らによるもので、詳細は1月18日付で「Cancer Medicine」に掲載された。

歯や口の困りごとがうつ病と関係?日本人成人1.5万人を追跡調査

 メンタルヘルス対策は精神症状そのものに焦点が当てられてきた一方で、日常生活に身近な身体的要因との関連は十分に検討されてこなかった。そうした中、日本人成人約1万5,000人を1年間追跡した縦断研究により、歯や口の困りごとによって口腔関連QoL(OHRQoL)が低い人ほど、その後にうつ病が発症しやすいことが示された。研究は、岡山大学学術研究院医療開発領域の竹内倫子氏、学術研究院医歯薬学域予防歯科学分野の江國大輔氏、東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野の田淵貴大氏らによるもので、詳細は1月4日付で「Journal of Clinical Medicine」に掲載された。  うつ病は世界的に大きな疾病負担をもたらす精神疾患であり、その発症には年齢、社会的孤立、慢性疾患、生活習慣、QoLなど多様な要因が関与する。