なぜ?第二世代抗精神病薬投与による“強迫症状”発現機序 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/11/02 大部分の統合失調症患者は、第二世代抗精神病薬(SGA)による治療中に強迫症状が発現する。近年の研究により、このような二次的な強迫症状の遺伝的危険因子として、グルタミン酸エステル搬送体遺伝子(SLC1A1)が関連することが示唆されている。Schirmbeck氏らは欧州での試験により、この結果を検証した。Psychiatr Genet誌2012年10月号の報告。 対象は、SGAで治療中の統合失調症患者103例。SGAによる二次的な強迫症状に関連すると考えられるSLC1A1の3つの単一塩基多型(rs2228622、rs3780412、rs3780413)について調べた。単一マーカーとハプロタイプの解析には、ロジスティック回帰分析が用いられた(年齢、性別、薬剤の種類を共変量として調整)。 主な結果は以下のとおり。 ・クロザピンなどの著しい抗セロトニン作動性SGAによる治療を受けた患者では、強迫症状を合併することがより多かった(p<0.001)。 ・クロザピンの投与量および投与期間は強迫症状の重症度と有意に相関していた。 ・アジアのサンプルとは対照的に、本研究では強迫症状に遺伝的関連性は見出せなかった。 関連医療ニュース ・【学会レポート】2012日本臨床精神神経薬理学会・日本精神神経薬理学会合同年会 ・難治性の強迫性障害治療「アリピプラゾール併用療法」 ・治療抵抗性統合失調症へのクロザピン投与「3つのポイント」 (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Schirmbeck F, et al. Psychiatr Genet. 2012 Oct; 22(5): 245-252. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] ACSへのPCI後1~12ヵ月でのチカグレロル単独vs.アスピリン併用/Lancet(2024/04/25) セマグルチド、肥満関連の心不全・2型糖尿病に有効/NEJM(2024/04/25) 薬剤溶出性バルーンがもたらす新たな世界(解説:山地杏平氏)(2024/04/25) 雑音対策で補聴器の調節、設定をより正確に/デマント・ジャパン(2024/04/25) 切除不能StageIIIのNSCLCにおけるCRTとデュルバルマブの同時併用の成績(PACIFIC-2)/ELCC2024(2024/04/25) 日本人の遅発性ジスキネジアに対するバルベナジンの有効性と安全性(2024/04/25) 怒りの感情をぶちまけても効果なし(2024/04/25) コロナよりもインフルエンザの方が脳への影響が大きい(2024/04/25)