早期関節リウマチ、メトトレキサートとの併用薬としてTNF阻害薬が有効

提供元:ケアネット

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公開日:2009/08/20

 

 メトトレキサート(MTX)(商品名:リウマトレックスなど)単剤療法で良好な結果が得られなかった早期関節リウマチ(RA)患者においては、MTXへの追加併用薬として腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬が、従来の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)よりも高い有用性を示すことが、スウェーデンKarolinska大学病院リウマチクリニックのR F van Vollenhoven氏らが実施した無作為化試験(Swefot試験)の1年間の解析で明らかとなった。早期RAに対する新たな治療戦略は急速な進展をみせている。MTXとTNF阻害薬の併用療法はMTX単剤療法よりも高い効果を示すが、MTX単剤でも20~40%の症例で良好な臨床効果が得られるという。Lancet誌2009年8月8日号掲載の報告。

MTXへの追加併用薬としてのDMARDとTNF阻害薬を比較

 Swefot試験の研究グループは、MTX治療で良好な結果が得られなかった早期RA対象に、MTXへの追加併用薬として、従来のDMARDであるスルファサラジン(商品名:アザルフィジンENなど)+hydroxychloroquineとTNF阻害薬であるインフリキシマブ(商品名:レミケード)の有用性を比較する臨床試験を行い、その1年間の結果を報告した。

 スウェーデンの15のリウマチ専門施設から、症状発現期間が1年以内の早期RA患者が登録され、20mg/週を上限にMTX単剤治療が行われた。3~4ヵ月後に、MTX治療は耐用可能であったものの疾患活動性スコア(DAS)が「低(DAS≦3.2)」には達しなかった症例を対象に、MTXにスルファサラジン+hydroxychloroquineを併用投与する群あるいはインフリキシマブを併用投与する群に無作為に割り付けた。

 主要評価項目は、12ヵ月の時点における欧州リウマチ学会(EULAR)の判定基準による“good response”の達成率とした。フォローアップは24ヵ月まで行われたが、ここに提示するのは12ヵ月の時点での解析結果である。

TNF阻害薬を含む併用レジメンが優れるが、DMARDを完全に除外すべきではない

 487例が登録され、MTX治療でDASの「低」を達成できなかった258例のうち、130例がスルファサラジン+hydroxychloroquine追加群に、128例がインフリキシマブ追加群に割り付けられた。

 12ヵ月の時点でgood responseを達成したのは、スルファサラジン+hydroxychloroquine追加群が25%(32/130例)であったのに対し、インフリキシマブ追加群は39%(50/128例)と有意に優れていた(リスク比:1.59、p=0.0160)。

 有害事象の発現状況は両群間でほぼ同等で、有害事象プロフィールは各薬剤の既知のものと一致していた。死亡例は両群とも認めていない。

著者は、「MTX治療で良好な結果が得られなかった早期RA患者に対しては、MTXへの追加併用薬として従来のDMARDよりもTNF阻害薬の臨床的有用性が優れる」と結論したうえで、「早期RAの典型的な治療選択肢はTNF阻害薬を含む併用レジメンとみなしうるが、従来の抗リウマチ薬を完全には除外すべきでない」と指摘している。

(菅野守:医学ライター)