MSSA菌血症、セファゾリンは抗ブドウ球菌ペニシリンに非劣性/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2026/06/29

 

 メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)菌血症患者において、90日死亡率に関して抗ブドウ球菌ペニシリン(flucloxacillinまたはクロキサシリン)に対するセファゾリンの非劣性が認められ、急性腎障害の発生率はセファゾリンで低かった。カナダ・マギル大学のTodd C. Lee氏らStaphylococcus aureus Network Adaptive Platform(SNAP)Trial Groupが、多施設共同無作為化非盲検非劣性試験「SNAP試験」の結果を報告した。黄色ブドウ球菌菌血症は死亡率が高い。MSSA菌血症の治療において、セファゾリンと抗ブドウ球菌ペニシリンのどちらが望ましいかは明らかになっていなかった。NEJM誌2026年6月18日号掲載の報告。

セファゾリンとflucloxacillinまたはクロキサシリンを比較

 SNAP試験は、8ヵ国(オーストラリア、カナダ、イスラエル、オランダ、ニュージーランド、シンガポール、南アフリカ共和国、英国)の91施設において実施されている現在進行中のベイジアン・アダプティブ・プラットフォーム試験で、黄色ブドウ球菌菌血症に対する複数の治療(例:抗菌薬治療、クリンダマイシン併用療法、早期の経口薬への切り替えなど)を評価している。今回は、抗菌薬治療のMSSAに関する結果が報告された。

 研究グループは、ペニシリン耐性MSSA菌血症の18歳以上の入院患者を、血液培養(黄色ブドウ球菌が初めて陽性となった培養)の検体採取後72時間以内に登録し、セファゾリン群とflucloxacillinまたはクロキサシリン群に1対1の割合で無作為に割り付けた。セファゾリンは2gを8時間ごと(重症例または心内膜炎の場合は6時間ごと)、flucloxacillinは2gを6時間ごと(重症例または心内膜炎の場合は4時間ごと)、クロキサシリンは2gを4時間ごとに静脈内投与し、腎機能に応じて用量を調整した。

 投与期間は、非複雑性菌血症で最低14日間、複雑性菌血症で28~42日間とした。なお、非複雑性菌血症の場合は7日目に、複雑性菌血症の場合は14日目に、適格であれば早期の経口薬への切り替えを評価するドメインへの移行が許可された。

 主要アウトカムは登録後90日以内の全死因死亡で、階層ベイズロジスティック回帰モデルを用いて解析し、セファゾリンがflucloxacillinまたはクロキサシリンに対して非劣性である事後確率(非劣性基準は補正後オッズ比[OR]<1.2と事前に規定、これはflucloxacillinまたはクロキサシリン群の死亡率が15%の場合に死亡率の絶対差が2.5%ポイント未満に相当することを示す)、ならびに優越性の事後確率(基準は補正後OR<1.0)を評価した。安全性の評価項目には、14日以内の急性腎障害の発症が含まれた。

90日死亡率、セファゾリン群15%、flucloxacillinまたはクロキサシリン群17%

 2022年2月17日より登録を開始し、2024年6月21日に、事前に計画された第4回中間解析に基づき、データ安全性モニタリング委員会から急性腎障害に関する安全性シグナルを理由に患者登録の中断が要請された。その時点の解析で非劣性の基準が満たされたことから、2024年8月7日に試験は終了した。

 計1,341例が無作為化され、671例がセファゾリン、670例がflucloxacillinまたはクロキサシリンの投与を受け、追跡不能例等を除く1,287例(セファゾリン群645例、flucloxacillinまたはクロキサシリン群642例)が主要アウトカムの解析対象となった。

 90日死亡率は、セファゾリン群15.0%(97/645例)、flucloxacillinまたはクロキサシリン群17.0%(109/642例)、補正後ORは0.81(95%信頼区間[CI]:0.59~1.12)であり、非劣性の事後確率は99.2%、優越性の事後確率は89.8%であった。

 14日以内の急性腎障害は、セファゾリン群で660例中92例(13.9%)に、flucloxacillinまたはクロキサシリン群では648例中127例(19.6%)に認められた(補正後OR:0.67、95%CI:0.50~0.89、優越性の事後確率99.7%)。

(ケアネット)