人工知能(AI)支援マンモグラフィスクリーニングは、2人の放射線科医が読影を行う標準的な二重読影と比較して、中間期乳がん(スクリーニングとスクリーニングの間あるいは最後の定期スクリーニング後2年以内に診断された、スクリーニングでは未検出であった原発乳がん)の発生率に関して非劣性で、予後不良の中間期乳がんの減少という良好なアウトカムに結び付き、高い感度、同等の特異度を示しながら、読影者の作業負荷も軽減したことが示された。スウェーデン・Lund UniversityのJessie Gommers氏らが同国で行った無作為化非劣性試験「MASAI試験」の結果を報告した。先行研究で、AI支援のマンモグラフィスクリーニングにより、がんの検出率が増加しかつ読影者の作業負荷を軽減可能であることがエビデンスとして示されているが、中間期乳がんへの有益性は明らかにされていなかった。Lancet誌2026年1月31日号掲載の報告。
二重読影による標準的スクリーニングと比較
MASAI試験は、スウェーデンで行われた、住民ベースの単盲検無作為化対照非劣性スクリーニング精度試験。同国では40~74歳の女性は1.5~2年ごとにマンモグラフィスクリーニングへの受診勧奨を受け、中等度の遺伝的リスクを持つ女性と乳がん既往を持つ女性には、毎年スクリーニングが提供され、後者は80歳まで実施される。
スクリーニングへの参加者を1対1の割合で、AI支援マンモグラフィスクリーニング群(介入群)またはAIを用いず2人の放射線科医が読影を行う標準的な二重読影群(対照群)に無作為に割り付け追跡評価を行った。
介入群のAIは、放射線科医1人または2人による読影トリアージおよび検出支援に使用された。
主要評価項目は中間期乳がんの発生率で、プロトコールに基づき解析された。非劣性マージンは20%であった。
副次評価項目は、中間期乳がんの特徴、感度、特異度、年齢・乳腺濃度・乳がんタイプ別(非浸潤性、浸潤性)の感度などであった。
中間期乳がんの発生率(/1,000人)は介入群1.55、対照群1.76
2021年4月12日~2022年12月7日に、10万5,934例の女性が介入群または対照群に無作為化された(除外は19例)。年齢中央値は、介入群(5万3,043例)53.8歳(四分位範囲:46.5~63.3)、対照群(5万2,872例)53.7歳(46.5~63.2)であった。
中間期乳がんの発生率は参加者1,000人当たり、介入群1.55(95%信頼区間[CI]:1.23~1.92)、対照群1.76(1.42~2.15)で、非劣性割合比は0.88(95%CI:0.65~1.18、p=0.41)であった。
介入群では対照群と比較して、浸潤性(75例vs.89例)、T2+(38例vs.48例)、非Luminal A(43例vs.59例)の中間期乳がんが少なかった。
感度は、介入群(80.5%、95%CI:76.4~84.2)が対照群(73.8%、68.9~78.3)よりも高く(p=0.031)、この効果は年齢や乳腺密度によらず浸潤性乳がんでは一貫して認められたが、非浸潤性乳がんでは認められなかった。特異度は両群とも98.5%(95%CI:98.4~98.6)であった(p=0.88)。
著者は、「その後の検診回および費用対効果の解析で、長期的なベネフィットと有害性のバランスが明らかになり、とくに人手不足の状況にある住民ベースのマンモグラフィスクリーニングプログラムにおいて、AIを導入することに関する強力な根拠が示唆された」とまとめている。
(ケアネット)