発症後24時間以内に血管内血栓除去術(EVT)を受ける急性虚血性脳卒中患者において、edaravone dexborneolの投与はプラセボと比較し、重篤な有害事象を増加させることなく90日時点の機能的自立を改善する傾向が認められた。中国・首都医科大学のChunjuan Wang氏らTASTE-2 investigatorsが、同国106施設において実施した研究者主導の無作為化二重盲検プラセボ対照試験「TASTE-2試験」の結果を報告した。edaravone dexborneolは、エダラボンとdexborneolを4対1の比率で配合した薬剤で、相乗的な抗酸化作用と抗炎症作用により脳細胞保護効果を発揮することが再灌流動物モデルで示されていた。これまでに再灌流療法を受けていない急性虚血性脳卒中患者の機能転帰を改善することが示されていたが、再灌流療法を受ける患者における有効性は不明であった。なお、今回の結果について著者は、「主に入院時にミスマッチが認められた患者集団によって得られたものと考えられる。今後、この集団を対象とした試験が必要である」とまとめている。BMJ誌2026年1月7日号掲載の報告。
血管内治療前に初回投与し10~14日継続、対プラセボの有効性・安全性を評価
研究グループは、18~80歳で、急性虚血性脳卒中と診断され、NIHSSスコア(範囲:0~42、高スコアほど神経学的機能障害が重度)が6~25、ASPECTS(範囲:0~10、低スコアほど梗塞範囲が大きい)が6~10で、前方循環の主幹動脈閉塞(内頸動脈、T字分岐または中大脳動脈のM1)を有し、発症後24時間以内にEVTが予定されている患者を、edaravone dexborneol群(1回37.5mg:エダラボン30mg+dexborneol 7.5mg)またはプラセボ群に1対1の割合で無作為に割り付け、それぞれ1日2回、10~14日間、各回30分かけて静脈内投与した。いずれも、EVT実施前(大腿動脈穿刺まで)に初回投与を行った。
有効性の主要アウトカムは、90日時点の修正Rankinスケール(mRS)スコア(範囲:0[症状なし]~6[死亡])が0~2の機能的自立を達成した患者の割合。安全性の主要アウトカムは、重篤な有害事象であった。
2022年3月18日~2023年2月17日に1万4,233例がスクリーニングされ、1,362例が無作為化された(edaravone dexborneol群690例、プラセボ群672例)。このうち各群1例が、90日時点で追跡不能により有効性の解析から除外され、修正ITT集団1,360例を対象に解析が行われた。
90日時点のmRSスコア0~2達成患者割合は、55.0%vs.49.6%
修正ITT集団において、edaravone dexborneol群では689例中379例(55.0%)、プラセボ群では671例中333例(49.6%)が90日時点で機能的自立を達成した(リスク比:1.11[95%信頼区間[CI]:1.00~1.23]、リスク群間差:5.4%[95%CI:0.1~10.7]、p=0.05)。
事前に規定されたサブグループ解析の結果、入院時にミスマッチ(NIHSSスコア10以上かつASPECTS 9以上、またはNIHSSスコア20以上かつASPECTS 7以上と定義)を有する患者において、edaravone dexborneol群とプラセボ群との違いが大きいことが示された(55.5%[178/321例]vs.42.9%[134/312例]、リスク比:1.29[95%CI:1.10~1.52]、リスク群間差:13.0%[95%CI:5.6~20.3]、交互作用のp=0.003)。
重篤な有害事象の発現割合は、edaravone dexborneol群27.2%(188/690例)、プラセボ群25.7%(173/672例)であり、両群で同程度であった(リスク比:1.06[95%CI:0.89~1.26]、リスク群間差:1.5%[95%CI:-3.2~6.2]、p=0.53)。
(医学ライター 吉尾 幸恵)