無症候性高度頸動脈狭窄症、薬物療法+CASで周術期脳卒中/死亡リスク減/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2025/12/26

 

 無症候性の高度頸動脈狭窄症患者において、強化薬物療法単独と比較し、頸動脈ステント留置術(CAS)を追加すると、周術期脳卒中または死亡、あるいは4年以内の同側脳卒中の複合リスクが低下した。一方、頸動脈内膜剥離術(CEA)の追加では有意な効果は得られなかった。米国・メイヨークリニックのThomas G. Brott氏らが、5ヵ国155施設で実施した2つの観察者盲検並行群間試験「Carotid Revascularization and Medical Management for Asymptomatic Carotid Stenosis Trials:CREST-2試験」の結果を報告した。薬物療法、CAS、CEAの進歩により、無症候性頸動脈狭窄症の適切な治療方針に疑義が生じている。強化薬物療法に血行再建術を追加することで、強化薬物療法単独より大きな効果が得られるかどうかは不明であった。NEJM誌オンライン版2025年11月21日号掲載の報告。

強化薬物療法単独vs.CAS併用、強化薬物療法単独vs.CEA併用の2つの試験を実施

 研究グループは、35歳以上で、無作為化前180日以内に頸動脈領域の脳卒中、一過性脳虚血発作または一過性黒内障の既往のない無症候性の高度(70%以上)頸動脈狭窄を有する患者を登録した。

 ステント留置術試験では強化薬物療法群とCAS+強化薬物療法群(CAS併用群)を比較し、頸動脈内膜剥離術試験では強化薬物療法群とCEA+強化薬物療法群(CEA併用群)を比較した。

 主要アウトカムは、無作為化から44日目までの脳卒中または死亡、あるいはその後の追跡期間(最長4年間)における同側虚血性脳卒中の発生の複合であった。

CAS併用で、周術期脳卒中/死亡および4年以内の同側脳卒中の複合リスクが低下

 ステント留置術試験では1,245例が無作為化され、追跡期間中央値は3.6年(四分位範囲[IQR]:1.6~4.0)であった。2014年12月10日に無作為化が開始され、最終追跡調査は2025年7月31日に完了した。

 頸動脈内膜剥離術試験では1,240例が無作為化され、追跡期間中央値は4.0年(IQR:2.0~4.0)であった。2014年12月9日に無作為化が開始され、最終追跡調査は2024年9月30日に完了した。

 主要アウトカムのイベントの4年発生率は、ステント留置術試験において、強化薬物療法群6.0%(95%信頼区間[CI]:3.8~8.3)、CAS併用群2.8%(95%CI:1.5~4.3)(絶対リスク群間差:3.2%、95%CI:0.6~5.9、p=0.02)、頸動脈内膜剥離術試験において、強化薬物療法群5.3%(95%CI:3.3~7.4)、CEA併用群3.7%(95%CI:2.1~5.5)(絶対リスク群間差:1.6%、95%CI:-1.1~4.3、p=0.24)であった。

 無作為化から44日目までに、ステント留置術試験では、強化薬物療法群で脳卒中や死亡の発生はなかったが、CAS併用群で脳卒中7例、死亡1例が発生した。一方、頸動脈内膜剥離術試験では、強化薬物療法群で脳卒中3例、CEA併用群で脳卒中9例が発生した。

(医学ライター 吉尾 幸恵)