BRAF変異陽性大腸がん、最適な分子標的療法レジメンは?/BMJ

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2025/12/11

 

 中国・海軍軍医大学のBao-Dong Qin氏らは、BRAF遺伝子変異を有する切除不能大腸がんに対する分子標的療法ベースのレジメンの有効性と安全性について、システマティックレビューとネットワークメタ解析を行い、1次治療については、2剤併用化学療法+抗EGFR/BRAF療法が最善の生存ベネフィットをもたらすことを、また2次治療以降では、抗EGFR/BRAF療法をベースとしたレジメン(MEK阻害薬あるいはPI3K阻害薬併用あり・なし)が、最も高い有効性および良好な忍容性を有する選択肢であることを示した。BRAF遺伝子変異を有する切除不能大腸がん患者の予後は不良であり、従来療法に対して十分な効果が得られない場合が多い。これまで複数の分子標的レジメンが検討され、抗EGFR/BRAF療法ベースのレジメンの臨床導入後、治療効果は大幅な改善が認められた。しかしながら、BRAF遺伝子変異を有する大腸がんの発生率は比較的低く、レジメンの有効性および安全性の直接比較は限られていた。BMJ誌2025年11月19日号掲載の報告。

メタ解析でレジメンの1次治療および2次治療以降のOSを評価

 研究グループは、BRAF遺伝子変異を有する切除不能大腸がんの分子標的薬ベースの治療戦略について、レジメン別およびレジメンの直接比較による有効性と安全性を評価するシステマティックレビューとネットワークメタ解析を行った。

 PubMed、Embase、Cochrane Library、ClinicalTrials.gov(データベース開始~2025年5月31日)および国際学会抄録を検索。BRAF遺伝子変異を有する切除不能大腸がんに対する分子標的療法の有効性と安全性を検討し、少なくとも1つの対象臨床アウトカムを含む臨床試験および多施設共同リアルワールド研究を適格とした。

 主要評価項目は、1次治療および2次治療以降の全生存期間(OS)とした。副次評価項目は、無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)、およびGrade3以上の有害事象などであった。

 シングルアームメタ解析、ペアワイズメタ解析およびネットワークメタ解析を行い、OSとPFSのハザード比(HR)および95%信用区間(CrI)を統合し、ORRとDCRと有害事象のオッズ比および95%CrIを統合した。順位確率と累積順位曲線下面積(SUCRA)により、ネットワークメタ解析でレジメンの相対的優位性を評価した。

1次治療では、2剤併用化学療法+抗EGFR/BRAF療法が最も良好

 60試験、BRAF遺伝子変異を有する患者4,633例が対象に含まれた。

 統合推定値により、患者は抗EGFR/BRAF療法をベースとしたレジメンからベネフィットを得られる可能性が示唆された。

 1次治療では、2剤併用化学療法+抗EGFR/BRAF療法のOSが最も良好で、2剤併用化学療法+抗VEGF療法(HR:0.49、95%CrI:0.36~0.66)、3剤併用化学療法+抗VEGF療法(0.51、0.33~0.80)、抗EGFR/BRAF療法(0.70、0.51~0.96)と比較して有意な有益性を示した。

 1次治療のすべての分子標的療法戦略において、化学療法+抗EGFR/BRAF療法のOSが最も優れており(2剤併用化学療法+抗EGFR/BRAF療法のSUCRA=0.94、単剤化学療法+抗EGFR/BRAF療法のSUCRA=0.90)、またPFSも最も優れていた(2剤併用化学療法+抗EGFR/BRAF療法のSUCRA=0.93、単剤化学療法+抗EGFR/BRAF療法のSUCRA=0.92)。

2次治療以降では、抗EGFR/BRAF療法±阻害薬が最上位

 2次治療以降では、抗EGFR/BRAF療法が阻害薬(MEK阻害薬あるいはPI3K阻害薬)の併用あり・なしにかかわらず、他の代替戦略と比較して有効性が高く、順位確率とSUCRAに基づく試験の順位がエンドポイント全体で最上位であった。

 著者は、「今回の試験結果は、BRAF遺伝子変異を有する切除不能大腸がん患者に対する、ライン別の治療方針決定の必要性を強調するとともに、抗EGFR/BRAF療法ベースの治療戦略の役割を明確にし、現行ガイドラインを補完する可能性がある」とまとめている。

(ケアネット)