1日1回の経口orforglipron、早期2型DMのHbA1c改善/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2025/07/04

 

 早期の2型糖尿病成人患者において、GLP-1受容体作動薬orforglipronの1日1回40週間経口投与はプラセボと比較して、HbA1c値を有意に低下させた。米国・Velocity Clinical Research Center at Medical City DallasのJulio Rosenstock氏らACHIEVE-1 Trial Investigatorsが、中国、インド、日本、メキシコおよび米国で実施した第III相国際共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験「ACHIEVE-1試験」の結果を報告した。orforglipronは、2型糖尿病および体重管理を適応症として臨床開発中の、経口投与可能な低分子非ペプチドGLP-1受容体作動薬であり、有効性と安全性に関する追加データが必要とされていた。NEJM誌オンライン版2025年6月21日号掲載の報告。

orforglipronの3用量をプラセボと比較、1日1回40週間投与

 研究グループは、食事療法および運動療法のみでは血糖コントロールが不十分な2型糖尿病を有し、登録前3ヵ月以内に他の血糖降下薬(経口または注射)の投与を受けていない18歳以上の患者(インスリン未治療、HbA1c値7.0~9.5%、BMI値23.0以上)を、orforglipron 3mg群、12mg群、36mg群またはプラセボ群に1対1対1対1の割合で無作為に割り付け、1日1回40週間投与した。

 orforglipron群は、いずれも1mgより投与を開始し、4週ごとに各群の規定用量まで漸増(3mg、6mg、12mg、24mg、36mg)した。

 主要エンドポイントは、40週時におけるHbA1c値のベースラインからの変化量、重要な副次エンドポイントは、40週時における体重のベースラインからの変化率とした。

HbA1c値の推定平均変化量、orforglipron群は-1.48~-1.24%ポイント

 2023年8月9日~2025年4月3日に559例が無作為化された(orforglipron 3mg群143例、12mg群137例、36mg群141例、プラセボ群138例)。患者背景は、平均罹病期間4.4年、平均HbA1c値8.0%、平均体重90.2kg、女性が48.1%であった。

 40週時におけるHbA1c値のベースラインからの推定平均変化量は、3mg群-1.24%ポイント、12mg群-1.47%ポイント、36mg群-1.48%ポイント、プラセボ群-0.41%ポイントであり、orforglipronの3群すべてでプラセボ群よりもHbA1c値が有意に低下した。

 推定平均変化量のプラセボ群との差は、3mg群-0.83%ポイント(95%信頼区間[CI]:-1.10~-0.56)、12mg群-1.06%ポイント(-1.33~-0.79)、36mg群-1.07%ポイント(-1.33~-0.81)であり(すべてp<0.001)、40週時の平均HbA1c値はorforglipron群で6.5~6.7%であった。

 40週時における体重のベースラインからの変化率は、3mg群-4.5%、12mg群-5.8%、36mg群-7.6%、プラセボ群-1.7%であった。

 主な有害事象は軽度~中等度の胃腸障害で、そのほとんどは用量漸増中に発現した。重症低血糖は報告されなかった。投与中止に至った有害事象は、orforglipron群4.4~7.8%、プラセボ群1.4%であった。

(医学ライター 吉尾 幸恵)