急性期脳梗塞、遠隔虚血コンディショニングで機能予後改善/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2022/08/29

 

 中等症の急性期脳梗塞成人患者において、症状発現後48時間以内に両側上肢を電子自動制御カフで圧迫・解除を繰り返す遠隔虚血コンディショニング(remote ischemic conditioning:RIC)治療を加えることで、通常の治療のみと比較し90日後の神経学的機能良好の可能性が有意に増加することを、中国・人民解放軍北部戦区総医院のHui-Sheng Chen氏らが、中国の55施設で実施した多施設共同無作為化非盲検試験「Remote Ischemic Conditioning for Acute Moderate Ischemic Stroke Study:RICAMIS試験」の結果、報告した。これまで、前臨床試験でRICが脳梗塞を抑制し神経学的アウトカムを改善することが示され、いくつかの臨床試験においてRICの安全性が報告されていたが、急性期脳梗塞患者におけるRICの有効性に関して明らかなエビデンスは得られていなかった。なお著者は、「RICの有効性を結論付ける前に、今回の結果を別の試験で再現する必要がある」とまとめている。JAMA誌2022年8月16日号掲載の報告。

症状発現後48時間以内の中等症の脳梗塞患者約1,800例で検討

 研究グループは、2018年12月26日~2021年1月19日の期間に、18歳以上で症状発現後48時間以内の中等症の急性期虚血性脳卒中患者(NIHSSスコアが6~16[スコア範囲:0~42、スコアが高いほど重度])1,893例を、RIC群(922例)または対照群(971例)に1対1の割合で無作為に割り付けた(最終追跡調査日2021年4月19日)。

 RIC群では、ガイドラインで推奨されている治療(抗血小板薬、抗凝固薬、スタチンなど)に加え、RIC(両側上肢に電子自動制御のカフを装着し、200mmHgで5分間の圧迫と5分間の解除を1サイクルとして、5サイクル、計50分間繰り返す)を1日2回、10~14日間実施した。

 対照群では、ガイドラインで推奨されている治療のみを行った。

 主要評価項目は、90日時点の良好な機能アウトカム(mRSスコア:0~1)の患者割合とし、盲検下で評価された。

90日後のmRS 0~1の割合は、RIC群67.4%、対照群62.0%

 無作為化された1,893例(平均[±SD]年齢65±10.3歳、女性606例[34.1%])のうち、適格基準を満たさず臨床的判断により中止あるいは同意撤回などにより117例が除外され、1,776例(93.8%)が解析対象となった。

 90日時点の機能予後良好の患者割合は、RIC群67.4%(582/863例)、対照群62.0%(566/913例)であり、群間リスク差は5.4%(95%信頼区間[CI]:1.0~9.9)、オッズ比は1.27(95%CI:1.05~1.54)と、両群間に有意差が認められた(p=0.02)。

 有害事象の発現率は、RIC群6.8%(59/863例)、対照群5.6%(51/913例)であった。

(ケアネット)