コロナのブレークスルー感染、感染前の中和抗体価と関連か/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2021/08/05

 

 BNT162b2 mRNAワクチン(Pfizer-BioNTech製)を完全接種した健康な医療従事者1,497例のうち、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)へのブレークスルー感染が認められたのは39例で、いずれの感染者も非感染者に比べて、感染前(SARS-CoV-2検出前1週間以内)の中和抗体価が低いことが、イスラエル・Sheba Medical Center Tel HashomerのMoriah Bergwerk氏らによる検討で示された。また、ブレークスルー感染者のほとんどが軽症か無症状だったが、持続的な症状を呈するという。BNT162b2 mRNAワクチンはSARS-CoV-2に対する高い有効性にもかかわらず、まれなブレークスルー感染が報告されている。研究グループは、これらの感染を特徴付け、ブレークスルーと感染性の相関関係を調べた。NEJM誌オンライン版2021年7月28日号掲載の報告。

ケース・コントロールで感染相関関係要因を検証

 研究グループは、イスラエル最大の医療センターに勤務する医療従事者を対象に、無症状者も含め、ワクチン完全接種後のブレークスルー感染者の特定を行った。ブレークスルー感染の定義は、ワクチンの2回目接種後11日以降のRT-PCR検査によるSARS-CoV-2の検出で、最初の6日以内に明らかな曝露や症状があった場合には除外した。

 症候性(軽症を含む)、あるいは感染者との接触が確認された被験者について、疫学的調査、RT-PCR検査、抗原迅速診断法(Ag-RDT)、血清検査、ゲノム解析など詳細な検査を行った。

 感染者と非感染者についてケース・コントロール解析を行い、ブレークスルー感染との相関関係要因を検証した。具体的には、SARS-CoV-2検出前1週間以内に抗体価を測定したブレークスルー感染者と、非感染者のマッチング・コントロール4~5例について、一般化推定方程式を用いて、感染群とコントロール群の幾何平均抗体価と両群抗体価の比率を予測した。感染と中和抗体価、N遺伝子増幅に必要なサイクル数(Ct値)との関連性についても検証した。

ほとんどのブレークスルー感染者が軽症・無症状、19%は6週間以上症状継続

 ワクチン完全接種者でRT-PCR検査結果が得られた1,497例の医療従事者のうち、SARS-CoV-2のブレークスルー感染が認められたのは39例だった。

 感染群のSARS-CoV-2検出前1週間以内の中和抗体価は、非感染のコントロール群に比べ低値だった(感染群のコントロール群に対する率比:0.361、95%信頼区間[CI]:0.165~0.787)。感染前の中和抗体価の高値は、感染性の低下(Ct値がより高い)と関連していた。

 ほとんどのブレークスルー感染者が軽症か無症状だったが、うち19%で症状が6週間以上続いた。

 検査を行った85%が、B.1.1.7(α)株だった。

 感染群の74%が、感染中のウイルス負荷が高かった(Ct値30未満)が、同時に行ったAg-RDTで陽性結果が出たのはそのうち59%(17例)だった。2次感染は認められなかった。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)