英国で脳卒中死亡率が半減、その要因は?/BMJ

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 英国では、2001~10年の10年間で年齢調整脳卒中死亡率が半減したことが、英国・オックスフォード大学のOlena O. Seminog氏らによる英国内のデータベースを用いた解析の結果、明らかにされた。著者は「低下要因として、脳卒中の治療の進歩により死亡に至る患者が減少したことに起因していると思われる」と推測している。全体で致死率は40%低下し、致死率の低下は全年齢集団で確認された。また、脳卒中発生率も20%低下していたが、35~54歳では脳卒中発生率が増加しており、著者は「55歳より若い年齢層での脳卒中予防強化が大きな課題である」とも指摘している。英国で脳卒中死亡率が低下していることは知られていたが、この低下に影響している要因については明らかになっていなかった。BMJ誌2019年5月22日号掲載の報告。

約79万例について脳卒中死亡率・発生率・致死率を評価
 研究グループは、英国のhospital episode statistics(HES)とnational mortality statisticsの2つのデータベースを用い、2001年1月1日~2010年12月31日における、脳卒中で入院または死亡した20歳以上の成人79万5,869例のデータを解析した。

 主要評価項目は、脳卒中死亡率、脳卒中発生率(脳卒中による入院、入院を伴わない脳卒中による死亡)、脳卒中後30日以内の致死率とし、統計解析にはポアソン回帰モデルを用いた。

 79万5,869例のうち、男性は35万8,599例(45%)、女性は43万7,270例(55%)であった。

10年間で脳卒中死亡率は半減、発生率は全体で20%低下するも55歳未満では増加
 2001~10年の間に、脳卒中死亡率は55%、脳卒中発生率は20%、致死率は40%低下した。平均年変化は、脳卒中死亡率が男性-6.0%(95%信頼区間[CI]:-6.2~-5.8)、女性-6.1%(-6.3~-6.0)、脳卒中発生率が男性-1.3%(-1.4~-1.2)、女性-2.1%(-2.2~-2.0)、致死率が男性-4.7%(-4.9~-4.5)、女性-4.4%(-4.5~-4.2)であった。

 死亡率と致死率は全年齢集団で低下したが、発生率は全年齢では低下していなかった。すなわち、脳卒中発生率は高齢者集団で低下したが、35~54歳では毎年2%上昇した。

 死亡率の全低下のうち、71%が致死率(男性78%、女性66%)の低下に起因し、残りは脳卒中発生率の低下に起因していた。この2つの要因の寄与度は、各年齢集団で異なっており、55歳未満の若年者の死亡率低下は致死率の低下の結果であり、一方で高齢者(85歳以上)では、致死率と発生率の低下はほとんど平等に寄与していた。

 なお、著者は、脳卒中の種類(出血性/虚血性)を分けて解析していないこと、脳卒中の重症度は不明であることなどを研究の限界として挙げている。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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コメンテーター : 有馬 久富( ありま ひさとみ ) 氏

福岡大学医学部 衛生・公衆衛生学 教授

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