抗精神病薬誘発性の体重増加に「NRI+ベタヒスチン」 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/01/10 統合失調症患者では体重増加がしばしば問題となる。中枢神経系経路における食欲や体重を調節する薬剤としてレボキセチン(選択的ノルエピネフリン再取り込み阻害薬)、ベタヒスチン(ヒスタミンH1受容体アゴニスト/H3受容体アンタゴニスト)が補完的薬剤として期待されている。Michael Poyurovsky氏らは、プラセボ対照二重盲検比較試験においてレボキセチンとベタヒスチンの併用が統合失調症患者のオランザピン誘発性体重増加を減弱させるかどうかを検討した。Psychopharmacology誌オンライン版2012年12月13日号の報告。 対象はDSM-IVで統合失調症と診断された入院患者43例。対象患者をレボキセチン(4mg/日)+ベタヒスチン(48mg/日)併用群29例、プラセボ群14例に無作為に割り付け、オランザピン(10mg/日)とともに6週間継続投与を行った。精神症状は、ベースラインとエンドポイントのレーティングスケールにて評価した。統計分析には、Intention-to-treat解析を用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・レボキセチン+ベタヒスチン併用群で7例、プラセボ群で4例が試験を中止した。 ・試験終了時において、レボキセチン+ベタヒスチン併用群はプラセボ群と比較し体重増加が有意に少なかった(2.02±2.37kg vs. 4.77±3.16kg 、t=2.89、自由度[df]=41、p=0.006)。 ・レボキセチン+ベタヒスチンによる体重増加抑制効果は、以前にレボキセチン単独で認められた効果と比較し2倍であった。 ・レボキセチン+ベタヒスチン併用群はプラセボ群と比較し7%以上の体重増加(臨床的に有意な体重増加)が認められた患者の割合が有意に少なかった(3/29[10.3%] vs. 6/14[42.9%]、Χ2=6.03、df=1、p=0.014)。 ・レボキセチン+ベタヒスチンの併用は安全であり、忍容性は良好であった。 関連医療ニュース ・統合失調症患者の体重増加、遺伝子との関連を検証! ・統合失調症患者における「多飲」その影響は? ・オキシトシン鼻腔内投与は、統合失調症患者の症状を改善 (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Poyurovsky M, et al. Psychopharmacology (Berl). 2012 Dec 13. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] SGLT2阻害薬、自己免疫性リウマチ性疾患のリスクは?/BMJ(2025/10/24) 腹部大手術時の周術期血圧管理、個別化vs.通常/JAMA(2025/10/24) ALK陽性進行NSCLCへのアレクチニブ、OS中央値81.1ヵ月(ALEX)/ESMO2025(2025/10/24) 下剤のルビプロストン、重大な副作用にアナフィラキシー追加/厚労省(2025/10/24) 免疫療法の対象とならない進行TN乳がん1次治療、Dato-DXdがPFSとOSを延長(TROPION-Breast02)/ESMO2025(2025/10/24) 結腸がん術後ctDNAによるde-escalation、リスク低減も非劣性は示されず(DYNAMIC-III)/ESMO2025(2025/10/24) 寝たきり原因第1位「脳卒中」、最新治療アクセス改善と患者支援の最前線/日本脳卒中学会・日本脳卒中医療ケア従事者連合・日本脳卒中協会(2025/10/24) 父親の厳しい子育てが子供のメンタルヘルスに影響(2025/10/24)