食事からのポリフェノール摂取は心臓の健康に有益

提供元:HealthDay News

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公開日:2025/12/30

 

 紅茶、コーヒー、ベリー類、ココア、ナッツ類、全粒穀物、オリーブ油など、抗酸化作用を持つフェノールやポリフェノール(以下、まとめて「ポリフェノール」と表記)を豊富に含む食品を多く摂取することが、より健康的な血圧値やコレステロール値と関連し、心血管疾患(CVD)リスクスコアの低下にもつながり得ることが、新たな研究で明らかになった。なお、フェノールとは、主にベンゼン環にヒドロキシ基が結合した化合物の総称であり、このうちフェノール性水酸基を複数持つ化合物をポリフェノールと呼ぶ。先行研究では、ポリフェノールは心臓や脳、腸の健康に有益であることが示されている。

 この研究を実施した、英キングス・カレッジ・ロンドン(KCL)栄養学分野のYong Li氏は、「この研究は、ポリフェノールを豊富に含む食品を定期的に食事に取り入れることが、心臓の健康を支えるシンプルで効果的な方法であることを示す強力なエビデンスだ」と述べている。詳細は、「BMC Medicine」に11月27日掲載された。

 この研究でLi氏らは、TwinsUKの参加者3,110人が回答したEPIC-Norfolk食事摂取頻度調査票(FFQ)を基に、食事性ポリフェノール摂取量を推定した。その上で、ポリフェノール含有量の多い20食品群の摂取量から、各参加者のポリフェノールの豊富な食事スコア(PPS-D)を算出した。さらに、200人の参加者から採取したスポット尿検体を用いて、超高速液体クロマトグラフィー-質量分析(UHPLC-MS)により114種類のポリフェノール代謝物を客観的に測定し、51種類のポリフェノール代謝物に基づく曝露指標(PPS-M)を算出した。その上で、PPS-DまたはPPS-MとCVDリスク(アテローム動脈硬化性心血管疾患〔ASCVD〕リスクスコアおよびHEARTスコア)、および血圧や善玉コレステロールとも呼ばれるHDLコレステロール(HDL-C)などのCVDバイオマーカーとの関連を評価した。

 その結果、PPS-Dが高いほどASCVDリスクスコアおよびHEARTスコアが低く、ポリフェノールの摂取量が多いほどCVDリスクは低下する傾向が認められた。尿サンプルが得られた200人を対象に再現性を解析したところ、フラボノイド、フェノール酸、チロソール由来の代謝物が、両スコアおよび拡張期血圧の有意な低下、HDL-Cの有意な上昇と関連することが示された。さらに、PPS-Mに関する解析では、PPS-Mが高いほど、HDL-C値が高く、ASCVDリスクスコアおよびHEARTスコアが低いことも確認された。

 研究グループは、ポリフェノールが豊富な食品は、健康的な食生活の他の要素と相乗的に作用し、心血管の健康を促進している可能性があると指摘する。論文の上席著者であるKCLのAna Rodriguez-Mateos氏は、「本研究結果は、ポリフェノールを多く含む食事を長期間取り続けることで、加齢に伴う心血管リスクの上昇を大きく抑えられる可能性があることを示している。少量でも、ベリー類や紅茶、コーヒー、ナッツ類、全粒穀物などの日常的な摂取を習慣付けることで、長期的には心臓を守る助けになる可能性がある」と述べている。

 ただし、本研究結果は、ポリフェノールの摂取が心臓の健康と関連することを示したに過ぎず、両者の因果関係が証明されたわけではない。それでも研究グループは、加齢に伴いCVDリスクは高まる傾向がある一方、ポリフェノールを多く含む食事はその進行を遅らせる可能性があることを強調している。Li氏は、「ポリフェノールは日常的な食品の中に広く含まれていることから、多くの人にとって実践しやすい健康対策だ」と述べている。

[2025年12月1日/HealthDayNews]Copyright (c) 2025 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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