心房・心室の期外収縮は心血管イベントと関連

提供元:HealthDay News

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公開日:2023/08/30

 

 心血管疾患を発症していなくても、ウェアラブル心電計で心室性期外収縮(PVC)または心房性期外収縮(PAC)が検出された人では、心房細動および心不全のリスクが高いという研究結果が、「European Heart Journal - Digital Health」3月号に掲載された論文で明らかにされた。

 英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのMichele Orini氏らは、心血管疾患のないUKバイオバンクの参加者5万4,016例〔UKB-1コホート、年齢中央値58歳(四分位範囲50~63)、女性54%〕を対象に、PVCまたはPACと心血管アウトカムとの関連を検討する研究を実施した。

 PVCおよびPACの計測には、15秒間隔の単極誘導のウェアラブル心電計を用いた。年齢、性別、BMI、高血圧、喫煙歴、LDLコレステロール値、糖尿病などを含むリスク因子で調整したCox回帰モデルを用いて、PVCまたはPACと、心血管アウトカム〔心房細動、心不全、心筋梗塞、脳卒中および致死的な心室性不整脈(LTVA)〕との関連を検討した。

 ベースライン時における期外収縮の有病率は、PVC 2.2%、PAC 1.9%であった。追跡期間中央値11.5年(四分位範囲11.4~11.7)の時点における心血管アウトカムの有病率は、死亡4.4%、心房細動4.2%、心筋梗塞2.7%、脳卒中1.7%、心不全1.5%、LTVA 0.6%であった。

 リスク因子で調整したCox回帰モデルで解析した結果、PVCと最も強い関連が認められたのは心不全〔ハザード比(HR)2.09、95%信頼区間(CI)1.58~2.78、P<0.001〕、PACと最も強い関連が認められたのは心房細動(同2.50、2.11~2.96、P<0.001)であった。心房細動のリスクは、先行収縮とPACの間隔(連結期)が短いほど、そしてPACの頻度が高いほど上昇した。さらに、PVCおよびPACはLTVAのリスクとも有意に関連しており、LTVAのHRは、PVCで1.71(95%CI 1.01~2.88、P=0.044)、PACで1.85(同1.10~3.12、P=0.020)であった。

 PVCまたはPACと、心筋梗塞、脳卒中および死亡のリスクとの関連は、未調整のモデルで解析した場合には有意であったが、リスク因子で調整後は有意ではなくなった。

 これらの結果を検証するために、UKバイオバンクの別のサブスタディに参加した2万9,324例〔UKB-2コホート、年齢中央値64歳(四分位範囲58~70)、女性54%、追跡期間中央値3.5年(四分位範囲2.6~4.8)〕を対象に同様の検討を行った。リスク因子で調整したCox回帰モデルで解析したところ、UKB-1とほぼ同じ結果が得られ、PACは心房細動と有意に関連し(HR 1.80、95%CI 1.12~2.89、P=0.016)、PVCは心不全と有意に関連していた(同2.32、1.28~4.22、P=0.006)。

 著者らは、「ウェアラブル心電計のようなモバイルヘルスデバイスを活用して期外収縮を検出することによって、早期の心血管リスクを層別化することが臨床的に重要な意味を持つことを示唆する結果が得られた。今後の研究でさらに検討する必要がある」と述べている。

[2023年4月28日/HealthDayNews]Copyright (c) 2023 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら