統合失調症患者は頻繁に敵意や興奮を経験し、それらの症状が機能低下を招くことがある。米国・ニューヨーク医科大学のLeslie Citrome氏らは、統合失調症患者の機能に対するブレクスピプラゾールの影響を、敵意および興奮症状との関連において検討するため、同薬剤の短期および長期試験の事後解析を行った。The Journal of Clinical Psychiatry誌2026年7月20日号の報告。
短期データは、2011年7月~2014年12月に世界各地で実施された、急性期統合失調症(DSM-IV-TR基準)の成人入院患者を対象としたブレクスピプラゾール錠の6週間ランダム化二重盲検プラセボ対照試験の3件のデータを統合した。長期データは、2011年9月~2016年2月に実施された52週間の非盲検継続試験の2件のデータを統合した。機能評価には、個人的・社会的機能遂行度(PSP)尺度を用いた。ただし、敵意や興奮の影響を直接受けないようにするため、妨害的・攻撃的行動の項目を除外して評価を行った。対象者は、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)の敵意項目および興奮項目に基づく症状の有無により層別化した。
主な結果は以下のとおり。
・ベースライン時、対象者1,385例中692例(50.0%)に敵意が、784例(56.6%)に興奮が認められた。
・6週時点におけるPSPスコアの変化量は、プラセボと比較し、ブレクスピプラゾール2~4mg/日投与群で良好な結果を示した。
・PSPスコアの変化量の最小二乗平均差は、敵意あり群で2.82(95%信頼区間[CI]:0.58~5.07、p=0.014)、敵意なし群で3.42(95%CI:1.37~5.48、p=0.001)、興奮あり群で4.05(95%CI:2.01~6.10、p<0.001)と有意な差が認められた。しかし、興奮なし群では最小二乗平均差は2.09(95%CI:-0.18~4.36、p=0.071)であり、有意な差は認められなかった。
・解析対象408例におけるPSPスコアは、58週間にわたり改善し安定して推移していた。
著者らは「ブレクスピプラゾールは、敵意や興奮の症状を伴う成人統合失調症患者において、機能の改善をもたらす可能性がある」としている。
(鷹野 敦夫)