お知らせがあります

研修医のメンタルヘルス、医師との結婚で良好か

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2026/08/25

 

 医師の婚姻状況はウェルビーイングやキャリア選択と関連する可能性があるが、結婚を含むライフステージと若手医師のウェルビーイングやキャリア選択との関係については、これまで十分に検討されていない。そこで、長崎 一哉氏(藤田医科大学)、西崎 祐史氏(順天堂大学)らの研究グループは、日本の卒後2年目研修医を対象に、婚姻状況と心理的ウェルビーイング、志望診療科との関連を全国横断調査で検討した。その結果、婚姻、とくに配偶者が医師であることは、抑うつ症状の少なさおよび仕事満足度の高さと関連していた一方、診療科選択との明確な関連は認められなかった。本研究結果は、Academic Medicine誌オンライン版2026年7月1日号に掲載された。

 本研究では、2023年1月に基本的臨床能力評価試験(GM-ITE)を受験した2年目研修医を対象に、結婚の有無および結婚相手の職業と、抑うつ症状、バーンアウト、仕事満足度などのウェルビーイング指標、ジェンダー役割観、診療科選択との関連を検討した。

 主な結果は以下のとおり。

・解析対象は卒後2年目研修医2,721人で、平均年齢は27.7歳、女性は879人(32.3%)であった。
・全体の既婚率は20.2%で、既婚者のうち結婚相手が医師であった割合は51.2%であった。
・未婚、既婚(医師と結婚)、既婚(医師以外と結婚)の3群を比較したところ、既婚(医師と結婚)群では、未婚群と比べて抑うつ症状が少なく(17.7%vs.28.2%)、仕事満足度が高かった。
・診療科選択については、結婚状況との有意な関連は認められなかった。
・ジェンダー役割観については、女性研修医、とくに医師と結婚している女性研修医で、伝統的な性別役割分担に否定的な傾向が認められた。

 本研究結果は、若手医師のメンタルヘルスを考えるうえで、婚姻の有無だけでなく、配偶者の職業などライフステージに関わる背景にも目を向ける意義を示している。また、こうした知見は、若手医師が結婚や家族形成を含めた将来のキャリアを考える際の支援や教育にも有用な情報となりうるほか、ライフイベントとキャリア形成の両立を考えるうえでの一助となる可能性がある。

(ケアネット 濱崎 奈々子)