大規模災害や突発的な危機が発生した際、被災地域の医療機関が直面する最大の壁の1つが「初動資金の確保」である。設備損壊や緊急用資材の調達など、発災直後から資金のニーズは多発する。一方で、公的補助金や保険金の給付は手続きや審査に時間を要するため、実際に着金するまでタイムラグが生じることが少なくない。
この公的支援が行き届くまでの「時間のギャップ」を埋め、緊急時のつなぎ資金を獲得する選択肢として機能するのが、寄付型クラウドファンディング(以下、CF)である。
こうした中、CFサービスを手掛けるREADYFORは、被災地での復旧・復興活動を行う事業者を対象に、運営手数料を無料(決済手数料5%+税のみ適用)とする「令和8年熊本地震 復旧・復興応援プログラム」の開始を発表。今回の令和8年熊本地震の被災2日後の7月30日からCFで資金調達を開始した済生会熊本病院は、すでに目標金額(1,000万円)を大幅に達成している(寄付募集は10月28日まで)。
CFは行政の支援や融資を代替するものではなく、あくまで災害初期などの局面における「補完的な資金調達手段」となる。CFは災害時だけでなく、平時における医療支援や臨床・研究開発、設備投資など多様なプロジェクトのために立ち上げることができるものである。今回の災害支援プログラムをはじめとするCFの仕組みや手順をあらかじめ把握しておくことは、医療機関の危機管理および医療BCP(事業継続計画)の観点からも有益と言えるのではないだろうか。
「令和8年熊本地震 復旧・復興応援プログラム」の概要は以下のとおり。
【プログラム内容】
(1)クラウドファンディングサービス「READYFOR」の運営手数料が無料となり、決済手数料(5%)+税のみでサービス利用が可能
(2)目標金額への到達の有無に関わらず集まった資金を受け取ることができるALL-IN形式を適用
(3)サービスプランは「ベーシックプラン」を適用
(4)対象のプロジェクトを特設ページに掲載(プロジェクト公開以降に順次反映)
【対象】
令和8年熊本地震により大きな被害を受けた地域を対象に、下記いずれかを行うためのクラウドファンディング
(1)被災地に所在する事業者、非営利団体、文化施設、病院等の復旧・復興・再建のための活動
(2)被災地にて復旧・復興を行う団体の活動
(3)同地域に対して物資等の寄贈
【プログラム適用期間】
・公開期限含む半年
・お申し込み期限:2026年11月末日
・お申し込み後公開期限:2027年1月末日
【プログラム申し込み要件】
(1)について:被害のあった施設等の所在地や被害状況、再建方針等について資料のご提出をお願いする場合があります。
(2)について:被災地における復旧・復興のための活動の実施については、過去の災害支援の実績・経験を確認できる団体に限ります(個人は適用対象外となります)。
(3)について:物資等の寄贈については、寄贈先が特定され、寄贈先の同意がとれていることを確認できる場合に限ります。
このほか、プロジェクトの詳細はこちら
(ケアネット 土井 舞子)