高齢者のポリファーマシー対策啓発資材が完成/厚労省

提供元:ケアネット

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公開日:2026/07/13

 

 さまざまな疾患を併存していることが多い高齢の患者では、処方された治療薬の副作用や相互作用などが大きなリスクとなるケースもある。そこで、厚生労働省では2018年に『高齢者の医薬品適正使用の指針』を公開し、いわゆる「ポリファーマシー対策」を示した。今回、高齢者のポリファーマシー対策を進めるための医療従事者向けの普及啓発資材が完成。厚労省は6月24日より公開、配信を行っている。

処方の一元管理がポリファーマシー対策の鍵

 ポリファーマシー啓発資材の利用対象者は、医師、歯科医師、薬剤師、看護師などの多職種を対象とするもので理解しやすいように図表やイラストが多用されている。

 主な目次と内容は以下のとおり。

【1.ポリファーマシーの概念】
 「ポリファーマシーの概念」として「多剤服用の中でも害をなすものをとくにポリファーマシーと呼び、本指針でも両者を使い分けた。ポリファーマシーは、単に服用する薬剤数が多いことではなく、それに関連して薬物有害事象のリスク増加、服薬過誤、服薬アドヒアランス低下などの問題につながる状態」と定義し、服用薬剤数が6種類以上で発生が多いことが示されている。

【2.多剤服用の現状】
 高齢になるに伴い服用薬剤数が多くなる傾向があること、有害事象が発生しやすくなることが示されている。また、処方が一元管理されていないとポリファーマシーが形成されやすいことが示されている。

【3.薬剤見直しの基本的な考え方およびフローチャート】
 処方見直しのフローチャートを示し、実施する際の考え方やポイント、注意点、他職種との連携の重要性などが記載されている。

【4.多剤服用時に注意する有害事象と診断、処方見直しのきっかけ】
 有害事象として、「ふらつき・転倒」「せん妄」「食欲低下」「排尿障害・尿失禁」「記憶障害」「抑うつ」「便秘」が示されている。

【5.多剤服用の対策としての高齢者への薬物投与の留意事項】
 多剤服用の対策では、加齢による腎機能などの低下を考慮し、「少量開始」「徐々に増量」などの注意が記載され、相互作用の影響や重複処方への注意、OTC医薬品などとの併用への注意、急性期・療養期・慢性期での見直しが示されている。

【6.服薬支援】
 服薬アドヒアランス低下の要因として「視力低下」「認知機能の低下」「独居」などの例示とともに、処方や服薬支援の工夫が記載されている。

【7.多職種・医療機関および地域での協働】
 多職種連携の重要性だけでなく、地域の薬局、介護サービスとの協働の必要性が示されている。

【8.国民的理解の醸成】
 薬剤の適正な使用法の啓発について記載されている。

【9.参考資料】
 薬剤別の高齢者で汎用される薬剤の基本的な留意の詳細、とくに慎重な投与を要する薬物のリスト、加齢に伴う薬物動態および薬力学の変化などが詳細に記載されている。

(ケアネット 稲川 進)