人工関節置換術後のVTE予防、アスピリン単独は有用か?/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2026/07/24

 

 股関節および膝関節の人工関節全置換術(THA/TKA)後の症候性静脈血栓塞栓症(VTE)の予防効果は、リバーロキサバン短期投与後のアスピリン切り替えと比較し、アスピリン単独投与でも非劣性であることが示された。出血イベントも臨床的に意味のある差はなかった。カナダ・ダルハウジー大学のSudeep Shivakumar氏らEPCAT III Trial Investigatorsが、同国の15施設で実施した無作為化二重盲検比較試験「EPCAT III試験」の結果を報告した。THA/TKA後のVTE予防において、リバーロキサバン短期投与後のアスピリンへの切り替えは安全かつ有効であることがEPCAT II試験で認められたが、アスピリン単独投与の有用性については依然として不明であった。NEJM誌オンライン版2026年7月12日号掲載の報告。

アスピリン単独と、リバーロキサバンからアスピリンへの切り替えを比較

 研究グループは、待機的に片側の初回または再置換のTHA/TKAを受ける患者を、術後5日間1日1回のアスピリン81mg投与群と、リバーロキサバン10mg投与群に無作為に割り付けた。その後、全例に、アスピリン81mgをTHA例は30日間、TKA例は9日間投与し、90日間追跡した。

 有効性の主要アウトカムは症候性VTEで、アスピリン単独群のリバーロキサバン→アスピリン切り替え群に対する非劣性(マージンは0.7%ポイント)を検証した。安全性の主要アウトカムは出血性合併症(大出血、または臨床的に意味のある非大出血)とした。

VTE発生は0.48%vs.0.45%、非劣性を確認

 2021年2月5日~2026年1月15日に計5,429例が無作為化され、このうち試験治療が行われなかった患者や同意撤回例等を除外した5,365例が解析対象となった。

 VTEの発生率は、アスピリン単独群0.48%(13/2,718例)、切り替え群0.45%(12/2,647例)であり、アスピリン単独群の非劣性が認められた(リスク群間差:0.02%ポイント、95%信頼区間[CI]:-0.34~0.39、非劣性のp<0.001)。

 出血性合併症は、アスピリン単独群で1.66%(45/2,718例)、切り替え群で2.04%(54/2,647例)に認められた(リスク群間差:-0.38%ポイント、95%CI:-1.11~0.34)。

(医学ライター 吉尾 幸恵)