既治療CLL/SLL、ピルトブルチニブ+VRでPFS改善(BRUIN CLL-322)/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2026/07/24

 

 前治療歴のある慢性リンパ性白血病(CLL)患者において、非共有結合型BTK阻害薬ピルトブルチニブは、ベネトクラクス+リツキシマブ療法(VR)との併用により、VRと比較して無増悪生存期間(PFS)を有意に改善し、この効果は共有結合型BTK阻害薬の前治療歴のある患者においても一貫しており、新たな安全性シグナルは認められないことが示された。米国・ダナファーバーがん研究所のMatthew S. Davids氏らが、22ヵ国152施設で実施された無作為化非盲検実薬対照第III相試験「BRUIN CLL-322試験」の結果を報告した。Lancet誌オンライン版2026年7月9日号掲載の報告。

VRへのピルトブルチニブ上乗せについて評価

 BRUIN CLL-322試験の対象は、18歳以上で、International Workshop on CLL(iwCLL)2018の基準に基づき治療を要するCLL(小リンパ球性リンパ腫[SLL]を含む)と確定診断され、共有結合型BTK阻害薬を含む1レジメン以上の前治療歴を有する患者であった。非共有結合型BTK阻害薬、ベネトクラクスまたはその他のBCL2阻害薬の前治療歴を有する患者は除外された。

 研究グループは、17p欠失の有無および共有結合型BTK阻害薬の前治療歴の有無を層別因子として、患者をピルトブルチニブ+VR(PVR)群またはVR群に1対1の割合で無作為に割り付けた。両群ともベネトクラクスを25サイクル、リツキシマブを6サイクル投与し、PVR群では、さらにピルトブルチニブ200mgの1日1回経口投与を1サイクル28日間として28サイクル(ベネトクラクス投与開始前にピルトブルチニブとリツキシマブを併用する3サイクルの導入期間を含む)投与した。

 主要評価項目は、iwCLL 2018に基づく盲検下独立評価委員会判定によるPFSで、無作為化されたすべての患者(ITT集団)を解析対象とした。安全性は、ITT集団のうち試験薬を少なくとも1回投与された患者を対象として評価した。

 本稿では、事前に計画された中間解析(データカットオフ2026年2月2日)の結果が報告された。

ピルトブルチニブ併用群でPFSが有意に改善

 2021年10月13日~2024年10月28日に784例がスクリーニングされ、そのうち639例が無作為化された(PVR群321例、VR群318例)。

 患者背景は、年齢中央値68.0歳(四分位範囲[IQR]:60.0~74.0)、男性439例(69%)、女性200例(31%)、前治療レジメン数の中央値は2(IQR:1~3)で、510例(80%)に共有結合型BTK阻害薬の前治療歴があり、そのうち362例(71%)は病勢進行により直近の共有結合型BTK阻害薬を中止していた。

 追跡期間中央値27.3ヵ月(IQR:19.5~38.7)において、PFSはPVR群でVR群と比較し有意に改善した(ハザード比:0.547、95%信頼区間[CI]:0.400~0.748、層別log-rank検定のp=0.0001[有意水準0.03104])。

 PFS中央値はPVR群で未到達(IQR:31.7~推定不能)、VR群で39.7ヵ月(95%CI:21.5~50.0)であり、24ヵ月PFS率は、それぞれ87%(95%CI:82.3~90.4)、72%(95%CI:65.7~77.0)であった。

 PVR群の有効性は、共有結合型BTK阻害薬の前治療歴を有する患者集団を含む事前に規定されたサブグループで一貫していた。

 有害事象は、全GradeでPVR群100%(315/316例)、VR群98%(305/311例)に認められ、最も発現頻度が高かった有害事象は下痢(それぞれ34%、35%)であった。全Gradeの心房細動または心房粗動の発現は少なかった(両群とも3%)。

 Grade3以上の有害事象はPVR群(79%)とVR群(73%)で同程度であったが、Grade3以上の腫瘍崩壊症候群の発現割合は、PVR群(1%)がVR群(4%)と比較して低かった。

 試験責任医師によりいずれかの試験薬に関連すると判断された試験治療下における有害事象(TEAE)による治療中止は、両群とも5%で報告された。死亡に至ったTEAEは5例に認められ、内訳はPVR群1例(敗血症性ショック)、VR群4例(敗血症、敗血症性ショック、COVID-19、全身の健康状態悪化が各1例)であった。

(医学ライター 吉尾 幸恵)