プラチナ感受性再発卵巣がんに対するmirvetuximab soravtansine+カルボプラチンの結果(MIROVA/AGO-OVAR 2.34)/ASCO2026

提供元:ケアネット

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公開日:2026/06/29

 

 プラチナ感受性進行再発卵巣がんに対し、新たな抗体薬物複合体(ADC)であるmirvetuximab soravtansine(MIRV)とカルボプラチンの併用療法が高い抗腫瘍効果を示した。しかし、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の延長は示されなかった。

 プラチナ感受性進行再発卵巣がんに対し、カルボプラチン・MIRV併用療法の実行可能性(feasibility)と有効性を評価する国際共同無作為化第II相試験の初回解析結果が米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)で発表された。発表者はPhilipp Harter氏(ドイツ・Ev. Kliniken Essen-Mitte)。

 MIRVは卵巣がんに高発現している葉酸受容体α(FRα)を標的としたADCである。同剤はプラチナ抵抗性のFRα高発現高悪性度漿液性卵巣がんにおいて、PFSおよび全生存期間(OS)の有意な改善を示している1)

 その一方で、プラチナ感受性卵巣がんにおけるカルボプラチンとの併用や維持療法としての役割、高悪性度漿液性以外の組織型における治療効果は十分に確立されていない。今回発表されたのは、FRα高発現のプラチナ感受性再発卵巣がんコホートにおける初回解析結果である。

・試験デザイン:国際共同無作為化第II相試験
・対象:既治療のFRα高発現進行再発卵巣がん、卵管がん、または腹膜がん(FRαパターンスコア2+、プラチナ最終治療から再発までの期間[TFIp]>3ヵ月)
・試験群:カルボプラチン(AUC5)+MIRV 6mg/kg(調整理想体重)投与後にMIRVによる維持療法(MIRV併用群75例)
・対照群:カルボプラチン+PLD、またはカルボプラチン+ゲムシタビン、カルボプラチン+パクリタキセル(1:1にランダム化)後に経過観察またはPARP阻害薬による維持療法(標準化学療法群70例)

・評価項目:
[主要評価項目]治験担当医師判定によるPFS
[副次評価項目]安全性、客観的奏効率(ORR)、OS、QOLなど

 主な結果は以下のとおり。
・患者の組織型は高悪性度漿液性卵巣がんが標準化学療法群とMIRV併用群でそれぞれ85.7%と81.3%、BRCA野生型が87.1%と84.0%、前治療ライン数が1が54.3%と48.0%、ベバシズマブ既治療が75.7%と78.7%、PARP阻害薬既治療が70.0%と64.0%、TFIp>12ヵ月が67.1%と66.7%であった。
・標準化学療法群では維持治療として42.9%にPARP阻害薬が投与されていた。
・主要評価項目であるPFS中央値は、標準化学療法群で9.79ヵ月、MIRV併用群で9.53ヵ月で、両群に差は示されなかった(ハザード比[HR]: 1.0、95%信頼区間:0.68~1.46、p=0.996)。
・ORRは標準化学療法群32.8%(CR 4.3%、PR 24.3%)に対し、MIRV併用群では66.2%(CR 4.0%、PR 58.7%)とMIRV併用群で高かった。
・サブグループ解析を見ると、前治療ライン数1(HR:0.64)、同1~2(HR:0.76)、BRCA変異陽性(HR:0.45)集団でMIRV併用群に良好な傾向がみられたが、前治療ライン数2超の集団では標準化学療法群が良好であった(HR:5.73)。
・全般的なQOL評価では両群に差は認められなかったが、サブグループを見ると悪心・嘔吐、食欲不振、末梢神経障害ではMIRV併用群が不良であった。
・MIRV群で頻度の高い有害事象(AE)は、神経障害(53%)、霧視(49%)、血小板減少症(47%)、悪心(41%)などであった。
・MIRV併用群における毒性による治療中止は22.7%であった。

 MIROVA試験において、高いORRを示したが、主要評価項目であるPFSの延長には反映されなかった。末梢神経障害から、維持療法のMIRV用量(6mg/kg)が最適か否かを検証するFLORENZA試験が進行中である。さらに、患者集団背景を均一にした国際共同臨床試験(GOG-3078/ENGOT-ov76/GLORIOSA試験)も現在進行中である。

(ケアネット 細田 雅之)