腎細胞がん1次治療、ミヤBM併用でICIの有効性高まる可能性/ASCO2026

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2026/06/10

 

 転移を有する腎細胞がん(mRCC)の1次治療において、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)を含むレジメンに生菌製剤であるCBM588(ミヤBM)を追加することで、臨床的活性が高まる可能性が示唆された。さらに、便のメタゲノム解析により、腸内細菌叢の乱れ(ディスバイオシス)を有する患者においてCBM588追加の恩恵がより大きいことが明らかになった。米国・City of Hope Comprehensive Cancer CenterのRahul Winayak氏が、2つの第I相無作為化比較試験(NCT038291111)、NCT051225462))の統合解析結果を米国臨床腫瘍学会(ASCO 2026)で報告した。

・対象:未治療のmRCC患者
・試験群(CBM588群):標準治療(ニボルマブ+イピリムマブまたはニボルマブ+カボザンチニブ)+CBM588 39例
・対照群:標準治療のみ 20例
・評価方法および評価項目:メタゲノム ショットガン・シーケンス(全ゲノムシーケンス)データを用いて、TOPOSCOREとS-SCOREを算出。SIG1+(特定の細菌叢の異常[ディスバイオシス]がみられる)vs.SIG2+(腸内細菌叢が正常)について解析を実施。無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)などを比較した。

 主な結果は以下のとおり。

・ベースライン特性は、年齢中央値がCBM588群67歳vs.対照群61.5歳、淡明細胞型腎細胞がんが89.7%vs.85.0%、IMDC分類中/高リスクが76.9%vs.82.4%、転移部位として最も多かったのは肺で74.4%vs.65.0%であった。
・ORRはCBM588群69.2%vs.対照群20.0%(p=0.001)、DCRは79.5%vs.45.0%(p=0.0095)であった。
・コホート全体におけるPFS中央値は、CBM588群32.0ヵ月(95%信頼区間[CI]:16.6~未到達)vs.対照群3.7ヵ月(95%CI:2.6~17.0)であり、CBM588の追加により進行リスクが有意に低下した(調整ハザード比[aHR]:0.31、95%CI:0.16~0.62、p=0.001)。
・SIG1+の患者におけるPFS中央値は、CBM588群24.9ヵ月vs.対照群2.8ヵ月と、CBM588追加による顕著なPFSの改善が認められた(aHR:0.17、95%CI:0.05~0.54、p=0.003)。
・一方で、SIG2+の患者におけるPFS中央値は、CBM588群32.0ヵ月vs.対照群10.9ヵ月であり、CBM588追加による統計学的に有意な改善は認められなかった(aHR:0.58、95%CI:0.19~1.73、p=0.328)。
・Grade3~4の有害事象はCBM588群56.4%vs.対照群50.0%で発現した。Grade3~4の下痢は10.3%vs.5.0%であったが、全体としてCBM588追加による新たな安全性上の懸念は認められなかった。

 Winayak氏は、「mRCCの1次治療において、ICIレジメンにCBM588を追加することで臨床成績が改善し、新たな安全性上の懸念も認められなかった。とくにディスバイオシスを有する患者(SIG1+)でCBM588の恩恵がより大きいことが示唆された」とまとめた。現在、mRCCにおけるCBM588の臨床的活性を評価する第III相無作為化比較試験(SWOG BIOFRONT試験3))が進行中である。

(ケアネット 遊佐 なつみ)