頻回増悪を示すCOPD、astegolimabが好酸球数によらず増悪を抑制か(ALIENTO・ARNASA併合解析)/ATS2026

提供元:ケアネット

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公開日:2026/05/25

 

 既存の維持療法によっても増悪リスクが残存する慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者が存在し、新たな治療選択肢が求められている。IL-33受容体であるST2を標的とするモノクローナル抗体astegolimabは、頻回増悪歴を有するCOPD患者を対象として、開発が進められている。本剤について、海外第IIb相試験「ALIENTO試験」および国際共同第III相試験「ARNASA試験」が実施されており、米国胸部学会国際会議(ATS2026 International Conference)において、2試験の併合解析結果をJadwiga A. Wedzicha氏(英国・インペリアル・カレッジ・ロンドン)が報告した。併合解析の結果、astegolimab 2週ごと投与は、ベースライン時の血中好酸球数にかかわらず、主要評価項目の中等度または重度のCOPD増悪の年間発現率をプラセボと比較して低下させ、忍容性も良好であることが示された。本解析結果は、American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine誌オンライン版2026年5月18日号に同時掲載された1)

 なお、ALIENTO試験およびARNASA試験の結果は、Lancet誌オンライン版2026年5月18日号に掲載された2)。astegolimab 2週ごと投与は、ALIENTO試験において主要評価項目を達成したが、ARNASA試験では主要評価項目を達成しなかった。

 ALIENTOは海外第IIb相試験、ARNASAは国際共同第III相試験であり、いずれも頻回増悪歴を有するCOPD患者を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照試験である。対象は、12ヵ月間に中等度または重度のCOPD増悪を2回以上経験し、modified Medical Research Council(mMRC)グレード2以上で、最適化された維持療法を受けている患者とした。ベースライン時の血中好酸球数、慢性気管支炎の有無、喫煙歴を問わず組み入れられた。対象患者は、astegolimab 476mgを2週ごとに投与する群(Q2W群)、4週ごとに投与する群(Q4W群)、プラセボを投与する群(プラセボ群)に1:1:1の割合で割り付けられ、52週間の治療を受けた。主要評価項目は、52週時点までの中等度または重度のCOPD増悪の年間発現率とした。副次評価項目は、St. George’s Respiratory Questionnaire(SGRQ)-C合計スコアの変化、重度のCOPD増悪の年間発現率、中等度または重度増悪の初回発現までの期間、気管支拡張薬投与後1秒量(FEV1)の変化、E-RS:COPD合計スコアなどとした。なお、今回の併合解析は事前規定されたものである。

 主な結果は以下のとおり。

・併合解析のmodified ITT集団は、Q2W群892例、Q4W群896例、プラセボ群888例であった。患者背景は各群でおおむねバランスがとれていた。平均年齢はそれぞれ66.76歳、67.10歳、67.14歳、男性の割合は60.3%、60.2%、60.4%であった。
・血中好酸球数の平均値は、Q2W群183.5/μL、Q4W群187.6/μL、プラセボ群176.5/μLであった。血中好酸球数300/μL以上の患者は、それぞれ13.9%、13.1%、11.4%であった。
・52週時点までの中等度または重度のCOPD増悪の年間発現率は、Q2W群1.04、Q4W群1.07、プラセボ群1.22であった。プラセボ群に対するレート比は、Q2W群0.85(95%信頼区間[CI]:0.76~0.96、p=0.0077)、Q4W群0.88(95%CI:0.78~0.99、p=0.0265)であった。
・事前規定されたサブグループ解析において、ベースライン時の血中好酸球数、喫煙歴などのほとんどのサブグループで、Q2W群の中等度または重度のCOPD増悪の減少が一貫して認められた。プラセボ群と比較したレート比は、血中好酸球数150/μL未満では0.82、150/μL以上では0.88、300/μL未満では0.87、300/μL以上では0.73であった。
・重度のCOPD増悪の年間発現率は、Q2W群0.15、プラセボ群0.22で、プラセボ群に対するレート比は0.68であった(95%CI:0.52~0.87、名目上のp=0.0028)。
・52週時点でSGRQ-C合計スコアがベースラインから4点以上改善した患者の割合は、Q2W群がプラセボ群より高かった(オッズ比:1.35、95%CI:1.11~1.64、名目上のp=0.0029)。
・SGRQ-C総スコアのベースラインからの変化量、気管支拡張薬投与後FEV1の変化量、E-RS:COPD総スコアの変化量については、明確な群間差は示されなかった。
・安全性評価集団における100人年当たりの有害事象発現率は、Q2W群365、Q4W群403、プラセボ群408であった。重篤な有害事象はそれぞれ100人年あたり39、41、48であった。

 本併合解析について、Wedzicha氏は「astegolimab 2週ごと投与は、頻回増悪歴を有するCOPD患者において良好なリスク・ベネフィットプロファイルを示した」とまとめた。

(ケアネット 佐藤 亮)