T2D合併肥満患者、セマグルチドvs.減量手術

提供元:ケアネット

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公開日:2026/05/21

 

 糖尿病(T2D)と肥満を合併する患者が多いことはよく知られている。こうした患者では、肥満治療薬と減量手術のどちらを利用し、その医療費、臨床転帰はどのようになるだろう。このテーマについて、米国のニューヨーク大学グロスマン医学部公衆衛生学科のKaran R. Chhabra氏らの研究グループは、T2Dと肥満を合併する患者におけるセマグルチドと減量手術の費用と臨床転帰の比較を検討した。その結果、減量手術は3年間の自己負担額が少なく、総医療費は同程度であり、長期的な主要心血管イベント(MACE)発生率も低いことが示された。Obesity誌オンライン版2026年5月6日に掲載。

治療効果、コストパフォーマンスで肥満治療法を比較すると

 研究グループは、2016~21年のMarketScan保険請求データを用いて、BMIが35以上のT2D患者を抽出した。対象者について、セマグルチド、スリーブ状胃切除術、または胃バイパス術の選択と、3年間の医療費(自己負担額および総医療費)、および臨床転帰(救急外来受診、入院、MACE)との関連性を検討し、解析は、一般化線形モデル、逆確率重み付け(IPTW)、および操作変数法を用いて調整した。

 主な結果は以下のとおり。

・6,748例の患者(セマグルチド群2,797例、スリーブ状胃切除術群2,300例、胃バイパス術群1,651例)を検討した。
・対象者のうち肥満外科手術を受けた患者はBMIが高く、併存疾患も多かった。
・IPTW調整解析では、セマグルチド群は3年間の自己負担額が最も高かった(セマグルチド群7,752ドルvs.スリーブ状胃切除術群5,980ドルvs.胃バイパス術群6,591ドル、p<0.001)が、総支出額は各群間で統計学的に有意な差は認められなかった。
・セマグルチド群と比較して、胃バイパス術群では救急外来受診回数(ハザード比 [HR]:1.36、95%信頼区間[CI]:1.28~1.45)および入院回数(HR:1.25、95%CI:1.13~1.37)が有意に多く、MACEの発生率は有意に低かった(HR:0.71、95%CI:0.59~0.88)。
・スリーブ状胃切除術は、長期入院率(HR:0.79、95%CI:0.72~0.86)およびMACE発生率(HR:0.79、95%CI:0.66~0.93)の低下と関連していた。

 この結果から研究グループは、「T2Dと肥満を有する患者においては、セマグルチドと比較して、減量手術は3年間の自己負担額が少なく、総医療費は同程度であり、長期的なMACE発生率も低いことが示された」と結論付けている。

(ケアネット 稲川 進)