アルツハイマー病では、アジテーションが頻繁にみられる。これは、患者にとって大きな負担となっている。従来、アルツハイマー病に伴うアジテーションのマネジメントには、非定型抗精神病薬などが適応外で使用されてきたが、高齢で脆弱な患者において、安全性が懸念されていた。ブレクスピプラゾールは、アルツハイマー病に伴うアジテーションの治療薬として、近年複数の国で承認された非定型抗精神病薬である。これまでの解析では、ブレクスピプラゾールは、最長24週間まで有効性が報告されており、忍容性もおおむね良好であることが示されていた。米国・University of RochesterのAnton P. Porsteinsson氏らは、これまでの研究に基づく事後解析を実施し、ブレクスピプラゾールの試験治療下における有害事象(TEAE)の発現時期と持続期間を評価した。Drug Safety誌オンライン版2026年4月10日号の報告。
12週間の解析では、アルツハイマー病に伴うアジテーションを有する患者を対象とした、ブレクスピプラゾールの第III相ランダム化二重盲検プラセボ対照試験3件のデータを統合した。また、24週間の解析では、ブレクスピプラゾールの12週間のランダム化試験および12週間の実薬投与延長試験のデータを統合した。治療開始から最初のTEAE発現までの期間およびすべてのTEAEの持続期間の中央値を算出した。
主な結果は以下のとおり。
・ブレクスピプラゾールが投与された患者は1,043例。
・12週間の試験において、ブレクスピプラゾール群(366例、米国で承認されている治療用量2mg/日または3mg/日)は、プラセボ群(388例)と比較し、最初のTEAE発現までの期間(32日vs.28日)、すべてのTEAEの持続期間(6日vs.4日)は同程度であった。一方、有害事象による投与中止までの期間は、ブレクスピプラゾール群のほうが長かった(47日vs.30日)。
・24週間の試験では、ブレクスピプラゾール群(163例)における最初のTEAE発現までの期間は52日、すべてのTEAEの持続期間は3日であった。
・12週間の試験でTEAEを報告しなかった患者では、12週間の延長試験においてもTEAEはまれであった。
著者らは「これらの探索的解析により、ブレクスピプラゾールは12週間を通しておおむね忍容性が高く、最初の12週間の治療を耐えた患者では、24週間を通して忍容性が良好であることが確認された。これらの結果は、アルツハイマー病に伴うアジテーションを有する患者におけるブレクスピプラゾールの長期的な安全性を示している」としている。
(鷹野 敦夫)