双極症II型(BD-II)が長期死亡率の上昇と関連しているかどうかは、依然として不明である。その理由は、ほとんどの研究がBD-IIと双極症I型(BD-I)を区別していないことにある。台湾・長庚大学のChih-Wei Hsu氏らは、BD-IIが一般集団や非双極症の兄弟姉妹、およびBD-I患者と比較して、すべての原因による死亡率および原因別死亡率の上昇と関連しているかどうかを調査した。JAMA Network Open誌2026年4月1日号の報告。
本集団ベースのレトロスペクティブコホート研究では、2000~22年の台湾国民健康保険データベースのデータを使用し、検討を行った。対象は、12歳以上で、精神科医によって2回以上のBD-II診断を受けた患者(BD-II群)および性別と生年月日をマッチさせたBD-IIでない患者(対照群)。追加の比較対象者として、影響を受けていない生物学的同胞およびBD-Iコホートを含めた。フォローアップ期間は、インデックス日から死亡または2022年12月31日までとした。データ解析は、2025年6~8月に実施した。主要アウトカムはすべての原因による死亡率、副次的アウトカムは自然死および不自然死による死亡率とした。Cox比例ハザード回帰モデルを用いて、年齢、性別、所得、居住地、医療資源利用、併存疾患を調整したハザード比(aHR)および95%信頼区間(CI)を推定した。
主な結果は以下のとおり。
・対象は、BD-II群1万1,427例(平均年齢:39.6±16.6歳、女性:7,073例[61.9%])および対照群4万5,708例(平均年齢:39.6±16.7歳、女性2万8,292例[61.9%])。
・平均フォローアップ期間7.3±5.1年の間に死亡したのは、BD-II群で1,089例、対照群で1,879例であった(aHR:1.62、95%CI:1.47~1.78)。
・BD-II群における過剰死亡は、自然死(aHR:1.37、95%CI:1.23~1.52)および不自然死(aHR:4.46、95%CI:3.53~5.64)の両方で認められた。
・自然死には、精神および行動障害、循環器系、呼吸器系、消化器系、皮膚または皮下組織の疾患、他に分類されない症状、兆候、異常な臨床所見および検査所見が含まれた。
・不自然死は、主に不慮の事故、自殺、暴行または殺人であった。
・これらの結果は、性別、年齢、精神疾患の併存の有無にかかわらず一貫していた。
・家族内解析では、BD-II群はすべての原因による死亡率(aHR:1.31、95%CI:1.00~1.72)および不自然死の死亡率(aHR:2.05、95%CI:1.43~2.95)の上昇と関連していたが、自然死の死亡率との関連は認められなかった。
・BD-Iと比較すると、BD-IIはすべての原因による死亡率(aHR:1.24、95%CI:1.01~1.53)および自然死の死亡率(aHR:1.45、95%CI:1.14~1.86)の上昇と関連していたが、不自然死の死亡率との関連は認められなかった。
著者らは「BD-IIは、さまざまな死因にわたる早期死亡の有意なリスクと関連していた。家族歴などの共通要因を考慮した後でも、BD-Iと比較し、すべての原因による死亡率は依然として高かった。これらの結果は、BD-II患者に対する包括的な精神科医療の重要性を強調するものである」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)