COPD・心血管疾患併存患者、β遮断薬で全死亡リスクは低下するか

提供元:ケアネット

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公開日:2026/08/18

 

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)と心血管疾患の併存患者において、β遮断薬で全死亡リスクは低下するものの、心不全または虚血性心疾患患者に限られ、長時間作用性β2刺激薬(LABA)の併用によってその効果が減弱する可能性があることが示された。カナダ・McGill UniversityのSamy Suissa氏らが、英国のプライマリケアのデータベースを用いて実施した標的試験エミュレーション(target trial emulation)研究の結果をChest誌オンライン版2026年8月11日号に報告した。

 本研究では、英国CPRD(Clinical Practice Research Datalink)の2002年1月~2021年3月のデータを使用し、40歳以上のCOPD・心血管疾患併存患者のコホートを構築した。臨床試験を模倣するように設計された新規使用者デザインを採用し、β遮断薬開始例と非投与例を、投与開始時期、傾向スコア、心血管疾患(心不全、虚血性心疾患、心房細動、高血圧)でマッチングした。as-treated解析により、全死亡のハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を推定した。

 主な結果は以下のとおり。

・β遮断薬開始群は非投与群と比較して、全死亡リスクが12%有意に低下した(HR:0.88、95%CI:0.81~0.95)。
・全死亡リスクの低下は、心不全患者(HR:0.77、95%CI:0.66~0.89)および虚血性心疾患患者(HR:0.84、95%CI:0.73~0.98)で認められたが、心房細動患者(HR:0.96、95%CI:0.83~1.11)および高血圧患者(HR:1.10、95%CI:0.87~1.38)では認められなかった。
・LABA非併用患者ではβ遮断薬による死亡リスクの低下が認められた(HR:0.80、95%CI:0.71~0.91)が、LABA併用患者では認められなかった(HR:0.95、95%CI:0.85~1.05、相互作用のp=0.04)。この影響は虚血性心疾患患者によるものだった(相互作用のp=0.01)。

 著者らは、「大規模集団データを用いた臨床試験模倣研究により、β遮断薬がCOPD・心血管疾患併存患者の全死亡リスクの低下に有効であるものの、その効果は心不全または虚血性心疾患患者に限られ、心房細動や高血圧患者では認められないことが示された。また、LABAの併用はβ遮断薬の全死亡率の低下効果を減弱する可能性がある」と結論している。

(ケアネット 金沢 浩子)