肥満患者への減量介入は健康関連QOL(HRQOL)にどのような影響を及ぼすであろうか。このテーマについて、米国・ペニントン・バイオメディカル研究センターのKara D. Denstel氏らの研究グループは、プライマリケアのクリニックの肥満患者803例を対象に減量介入を2年にわたり行った。その結果、減量はHRQOLの改善と関連していることがわかった。Obesity誌2026年5月号に掲載。
研究グループは、減量とHRQOLの変化との関連性と減量介入を受けた患者間における治療反応の違いを明らかにすることを目的に、18のプライマリケアのクリニックで、24ヵ月間の集中的なライフスタイル介入群または通常ケア群に無作為に割り付け検討した。一般的なHRQOLおよび体重関連のQOLを、ベースライン時および6、12、24ヵ月時点で評価し、関連性は反復測定線形多重レベルモデルを用いて分析した。
主な結果は以下のとおり。
・対象の肥満患者は803例だった。
・全般的HRQOLの変化は人種や性別による差はなく、体重関連QOLも性別による差はなかった。
・その一方で、黒人の患者では他の人種と比較し、体重関連QOLの改善度が低かった。
・ベースラインから24ヵ月までの体重減少量と体重関連QOLの改善度との間には、次の段階的な関連が認められた。初期体重の5%未満の減量群では7.4(95%信頼区間[CI]:5.1~9.7)、5%以上10%未満の減量群では15.0(95%CI:11.4~18.5)、10%以上の減量群では18.9(95%CI:15.4~22.4)だった。
・減量幅が大きいほど、ほとんどの一般的なHRQOL領域における改善度も高かった。
これらの結果から研究グループは、「減量はHRQOLの改善と関連し、体重関連QOLの変化には人種間の差異が認められた。このことは、減量に対する精密医療へのアプローチの必要性を示唆している」と結論付けている。
(ケアネット 稲川 進)