ゾルピデム、エスゾピクロン、ゾピクロン、zaleplonなどの非ベンゾジアゼピン系睡眠薬であるZ薬は、世界中の不眠症患者に広く用いられている。Z薬は、ベンゾジアゼピン系薬剤よりも安全性が高いと考えられてきたが、いくつかの研究においてZ薬の副作用についての議論が巻き起こっている。韓国・慶北大学校のJi-Yeon Park氏らは、Z薬と全死因死亡率との関連性を評価するため、観察コホート研究のメタ解析を実施した。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2006年1月23日号の報告。
2025年3月14日までに報告された観察コホート研究をPubMed、Embase、Scopusより検索し、メタ解析を実施した。研究対象集団は臨床患者であった。Z薬と全死因死亡率との関連性を評価するため、ランダム効果モデルを用いて全死因死亡率の統合ハザード比(HR)、95%信頼区間(CI)を算出した。感度分析およびサブグループ解析も実施した。
主な結果は以下のとおり。
・9件のコホート研究より参加者201万8,397例をメタ解析に含めた。
・Z薬の使用は、全死亡リスクの増加と有意な関連が認められた(HR:1.600、95%CI:1.027~2.491、p=0.038)。ただし、研究間の異質性は有意に高かった(I2=99.642%、p<0.001)。
・感度分析では、結果の安定性が確認された(HR:1.440~1.761、各々p<0.05)。
・サブグループ解析では、地域、フォローアップ期間、研究の質にかかわらず、一貫して正の相関傾向が認められた(HR:1.120~1.780)が、一部は統計的に有意ではなかった。
著者らは「本メタ解析において、Z薬の使用と全死亡率との間に正の関連が示された。しかし、研究間の異質性が非常に高いため、これらの結果の解釈には注意が必要である」としながらも「臨床医は、高リスク患者にZ薬を使用する際には注意を払うべきである」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)