日本では、2015年にWHOにより麻しんの排除認定を受けているが、2026年1月からの国内の発生報告数(速報値)は4月8日までに236例と、2020年以降同期間としては最多で、すでに2025年の1年間の発生報告数(265例)に迫る数字となっている。国立健康危機管理研究機構(JIHS)では、医療機関向けのリーフレット「 麻しんを疑った際の対応」を公開。典型的皮疹やコプリック斑を写真で示すとともに、感染対策や臨床対応のポイントを簡潔にまとめている。
<麻しんを疑った際の対応(一部抜粋)>
麻しんを疑う所見:
・発熱+発疹+カタル症状(咳・鼻汁・結膜充血)
・口腔内のコプリック斑
・海外渡航歴または麻しん患者発生地域への移動歴、接触歴
・ワクチン2回未完了または不明
※修飾麻しん(麻しんに対する免疫が不十分な人に生じる、軽症で非典型的な麻しん)では、典型所見に乏しいことがあるので注意
(1)感染対策
・個室管理対応、患者にマスク着用を促し、扉を閉める(可能なら陰圧室)
・空気感染対策(原則、N95マスク)+標準予防策を行う
・対応する医療者と接触者を最小化する
(2)臨床対応
・ワクチン接種歴聴取、臨床評価、脱水や呼吸管理等
・合併症:中耳炎、肺炎、下痢等による脱水、脳炎
※麻しん患者との接触後、72時間以内に麻しん含有ワクチンを接種すること等によって、麻しんの発症を予防できる可能性がある
(3)連絡・届け出
・院内ICTへ即時連絡
・麻しんと臨床診断したら直ちに発生届提出
・できるだけ早期(発疹出現後1週間以内)に、保健所の指示に基づく検体(咽頭ぬぐい液・尿・EDTA血)を採取し、提出する
・提出方法は、自治体ごとに異なるため、管轄の保健所に問い合わせる
※必要に応じてIgM抗体検査も実施するが、発疹出現後3日以内は偽陰性に注意する
(ケアネット 遊佐 なつみ)