日本人統合失調症外来患者における抗精神病薬の多剤併用パターンを調査

提供元:ケアネット

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公開日:2026/03/30

 

 統合失調症治療において抗精神病薬単剤療法が推奨される標準療法であるにもかかわらず、2種類以上の抗精神病薬の併用と定義される多剤併用は、臨床現場で依然として一般的に行われている。佐賀大学の祖川 倫太郎氏らは、日本の統合失調症外来患者における抗精神病薬の多剤併用率とその要因について調査するため、全国横断調査を実施した。International Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2026年2月18日号の報告。

 2024年10月21~25日に、医療機関36施設より3,657例の外来患者データを収集した。患者は、抗精神病薬の単剤療法群と多剤併用群に分類され、年齢、性別、薬剤投与頻度、長時間作用型注射剤(LAI)、クロザピン、併用向精神薬の使用状況などの人口統計学的および臨床的特徴を比較した。抗精神病薬の投与量はクロルプロマジン換算量に標準化し、性別および年齢層別に解析した。

 主な内容は以下のとおり。

・抗精神病薬の多剤併用は、40.8%の患者で認められた。
・多変量解析では、抗精神病薬の多剤併用は、男性、高齢、LAIの使用、抗パーキンソン病薬、抗不安薬/睡眠薬、気分安定薬の併用と有意な関連が認められた。一方、クロザピンの使用とは逆相関が認められた。
・クロルプロマジン換算量は、処方された抗精神病薬の数に応じて増加し、40~59歳の患者でピークに達し、その後減少していた。
・全体として、第2世代抗精神病薬が優勢であったが、第1世代抗精神病薬の使用は多剤併用に伴い増加が認められた。

 著者らは「これらの知見は、性別および年齢に関連した処方パターンを考慮した抗精神病薬のマネジメントが重要であることを示唆している」とまとめている。

(鷹野 敦夫)