妊娠中のアセトアミノフェン、神経発達症と関連なし

提供元:ケアネット

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公開日:2026/01/26

 

 アセトアミノフェンは、妊娠中の解熱・鎮痛の第1選択薬であり、非ステロイド性抗炎症薬やオピオイドより安全性が高いとされる一方で、近年自閉スペクトラム症(ASD)などの神経発達症への影響が議論され、注目を集めた。そこで、イタリア・University of ChietiのFrancesco D'Antonio氏らは、妊娠中のアセトアミノフェン使用と児のASD、注意欠如・多動症(ADHD)、知的障害(ID)リスクの関連を検討するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。その結果、妊婦のアセトアミノフェン使用とこれらの神経発達症のリスクとの間に関連はみられなかった。本研究結果は、The Lancet Obstetrics, Gynaecology, & Women's Health誌オンライン版2026年1月16日号に掲載された。

 研究グループは、MEDLINE、Embase、ClinicalTrials.gov、Cochrane Libraryを用いて、2025年9月30日までに発表されたコホート研究を検索した。対象の研究は、妊娠中のアセトアミノフェン使用と小児アウトカム(ASD/ADHD/ID)を評価し、調整済み推定値が示されているものとした。本研究の主要解析では、きょうだい比較を用いた研究に限定して、妊娠中のアセトアミノフェン使用とASD、ADHD、IDの関連を評価した。また、バイアスリスクが低い研究や追跡期間が5年以上の研究についても解析した。

 主な結果は以下のとおり。

・システマティックレビューには43件の文献が抽出され、そのうち17件がメタ解析の対象となった。
・きょうだい間比較を用いた研究において、妊娠中のアセトアミノフェン使用は、児のASD、ADHD、IDのいずれとも関連がみられなかった。オッズ比(OR)、95%信頼区間(CI)、p値、I2値は以下のとおり。
 ASD:0.98、0.93~1.03、p=0.45、I2=0%
 ADHD:0.95、0.86~1.05、p=0.31、I2=18%
 ID:0.93、0.69~1.24、p=0.63、I2=48%
・バイアスリスクが低い研究のみに限定した解析でも、児のASD、ADHD、IDのいずれとも関連はみられなかった。OR、95%CI、p値、I2値は以下のとおり。
 ASD:1.03、0.86~1.23、p=0.78、I2=75%
 ADHD:0.97、0.89~1.05、p=0.49、I2=10%
 ID:1.11、0.92~1.34、p=0.28、I2=57%
・調整済み推定値を報告したすべての研究を含めた解析や、5年以上の追跡期間を有する研究に限定した解析においても、一貫して関連はみられなかった。

 本研究結果について、著者らは「現在のエビデンスでは、用法・用量どおりにアセトアミノフェンを使用した妊婦の児において、ASD、ADHD、IDが臨床的に重要な程度で増加することは示されなかった。これらの知見は、妊娠中のアセトアミノフェンの安全な使用に関する現在の推奨を支持するものである」とまとめている。

(ケアネット 佐藤 亮)