IgA腎症における蛋白尿の臨床的意義を検討した系統的レビューおよびメタ解析の結果、0.5~1.0g/日の低レベル蛋白尿であっても腎予後不良と関連していたことを、東京慈恵会医科大学の山口 裕也氏らが明らかにした。Clinical Journal of the American Society of Nephrology誌オンライン版2025年12月12日号掲載の報告。
IgA腎症では、1.0g/日を超える顕性蛋白尿が腎予後不良と関連することが広く知られている。しかし近年のエビデンスでは、0.5~1.0g/日の低レベルの蛋白尿でも腎予後不良と関連することが示唆されている。そこで研究グループは、IgA腎症における低レベル蛋白尿と腎予後不良との関連を評価することを目的として、系統的レビューおよびメタ解析を実施した。
本研究では、PubMedおよびWeb of Scienceを検索し、IgA腎症患者における低レベル蛋白尿と腎機能障害(eGFR低下、腎不全、eGFRスロープなど)との関連を評価した研究を選定した。データはランダム効果メタ解析で統合した。
主な結果は以下のとおり。
・23研究(1万5,289例)が対象となり、15研究がメタ解析に含まれた。
・ベースライン時の蛋白尿が0.5~1.0g/日だった集団では、0.5g/日未満だった集団と比べて腎予後不良リスクが1.73倍上昇した(ハザード比[HR]:1.73、95%信頼区間[CI]:1.36~2.20、9件の研究)。
・経時的蛋白尿(Time-Averaged Proteinuria:観察期間中に複数回測定された蛋白尿の平均値)が0.5~1.0g/日だった集団では、腎予後不良リスクが2.87倍上昇した(HR:2.87、95%CI:1.48~5.56、7件の研究)。
・経時的蛋白尿が0.5~1.0g/日だった集団では、年間eGFRの低下速度も有意に速かった(平均差:-1.02mL/分/1.73m2/年、95%CI:-1.60~-0.45、4件の研究)。
・サブグループ解析およびleave-one-out感度解析は、全体の結果と一致していた。
研究グループは「これらの結果は、蛋白尿を0.5g/日未満にコントロールすることを推奨する近年のガイドラインを支持するものである。IgA腎症においては、蛋白尿の長期的な抑制が重要な治療目標として考慮されるべきである」とまとめた。
(ケアネット 森)