「風邪のときのスープ」に効果はある?

提供元:ケアネット

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公開日:2025/08/08

 

 風邪症候群や咽頭炎、インフルエンザ様疾患などの急性気道感染症の症状を和らげるために、温かいスープを飲むと良いとされることがある。この伝統的な食事療法の有効性を検討することを目的に、英国・University of the West of ScotlandのSandra Lucas氏らが、システマティックレビューを実施した。その結果、スープの摂取は、急性気道感染症の症状緩和や炎症抑制をもたらす可能性が示唆された。本研究結果は、Nutrients誌2025年7月7日号で報告された。

 本研究では、急性気道感染症に対するスープの効果を評価した研究を対象として、システマティックレビューを実施した。2024年2月までに公表された論文を対象に、MEDLINE、Embase、Scopus、CINAHL、CENTRAL、Cochrane Database of Systematic Reviewsなどを用いて文献を検索した。適格基準を満たした4件の無作為化比較試験(対象342例)を抽出し、メタ解析は行わずナラティブ統合を行った。解析対象となった研究で用いられたスープは、鶏肉ベースのスープに野菜やハーブを追加したものが主なものであった。評価項目は、症状重症度、罹病期間、炎症マーカーなどとした。

 主な結果は以下のとおり。

・3試験において、スープ摂取群は鼻閉、咽頭痛、咳といった急性気道感染症の症状がわずかながら軽減した。
・1試験において、スープ摂取群は罹病期間が1~2.5日短縮した。
・2試験において、スープ摂取群でC反応性タンパク(CRP)、IL-6、TNF-αといった炎症マーカーが低下する傾向がみられた。
・小児を対象とした1試験において、免疫グロブリン(IgA、IgG、IgM)値の上昇など、免疫機能の改善を示唆する結果が得られた。

 著者らは、「スープは水分補給、栄養補給、抗炎症作用の相乗効果により、急性気道感染症の症状軽減、全体的な健康の維持に寄与する可能性がある。ただし、研究間の異質性や標準化されたプロトコールの欠如などの限界が存在するため、より厳密かつ多様な研究による検証が求められる」とまとめた。

(ケアネット 佐藤 亮)