半合致(ハプロ)造血幹細胞移植(HSCT)後3ヵ月の臍帯由来間葉系幹細胞(MSC)逐次注入による移植片対宿主病(GVHD)予防効果および安全性を、中国・Xinqiao Hospital of Army Medical UniversityのHan Yao氏らが非盲検多施設無作為化比較試験で検討した。その結果、慢性GVHDと急性GVHDの発症率と重症度のどちらも有意に減少し、3年無GVHD・無再発生存率(GRFS)が改善することが示唆された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2025年4月15日号に掲載。
本試験では、臍帯由来MSCの注入(初日の開始4時間前に1×106/kg投与、移植後1ヵ月間は週1回、2ヵ月目は2週に1回、3ヵ月目に1回、計8回投与)を評価した。主要評価項目は重症慢性GVHDの2年累積発症率とした。
主な結果は以下のとおり。
・中国の3つの移植センターでハプロHSCTを受けた18~60歳の192例が登録され、MSC群と対照群に無作為に割り付けられた。
・1次解析において、重症慢性GVHDおよび全Gradeの慢性GVHDの推定2年累積発症率は、MSC群が対照群より低かった(p=0.033およびp=0.022)。
・MSC群におけるGrade1~4、2~4、3~4の急性GVHDの累積発症率は有意に減少した(すべてp<0.001)。
・MSC群における3年GRFS率は62.4%で、対照群(32.0%)よりも有意に高かった(ハザード比:0.34、p<0.001)。
・MSC注入は、累積再発率(p=0.34)および非再発死亡率(p=0.45)に影響しなかった。
(ケアネット 金沢 浩子)