抗PD-L1抗体薬、GLP-1薬などに重大な副作用追加/厚労省

2025年3月5日、厚生労働省より添付文書の改訂指示が発出され、該当医薬品の副作用の項などに追記がなされる。
対象医薬品は以下のとおり。
抗PD-L1抗体薬
アテゾリズマブ(商品名:テセントリク)
アベルマブ(同:バベンチオ)
セミプリマブ(同:リブタヨ)
<重大な副作用>免疫性血小板減少症
免疫性血小板減少症関連症例を評価した結果、アテゾリズマブ、アベルマブにおいて、免疫性血小板減少症との因果関係が否定できない症例が集積した。また、セミプリマブにおいては、現時点では因果関係の否定できない症例の集積はないものの、海外添付文書の記載状況等を考慮し、それぞれの使用上の注意を改訂することが適切と判断された。
持続性GLP-1受容体作動薬
デュラグルチド(商品名:トルリシティ)
<重大な副作用>肝機能障害
肝機能障害関連の症例等を評価した結果、本剤と肝機能障害関連事象との因果関係が否定できない症例が集積した。
BRAF阻害薬
ダブラフェニブ(商品名:タフィンラー)
MEK阻害薬
トラメチニブ(同:メキニスト)
<重大な副作用>好中球減少症、白血球減少症
現行、「11.副作用」の「11.2その他の副作用」の項で好中球減少症、白血球減少症を注意喚起しているが、好中球減少症および白血球減少症関連症例を改めて評価した。その結果、ダブラフェニブメシル酸塩およびトラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物と好中球減少症および白血球減少症との因果関係が否定できない重篤症例が集積した。そのため、重要な基本的注意の項にも「好中球減少症、白血球減少症があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行うこと」と追記される。
(ケアネット 土井 舞子)
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